<S級見どころ>

 今期に入り、7車立てのレースを走って上昇ムードの渡辺一成。初戦の7月弥彦記念で9カ月ぶりにGⅢで決勝進出。その後のFⅠ3場所でもファイナルへ。9月京王閣で今年初Vを決めた。その次の9月岐阜記念では準決で6着も一予、二予と2勝を挙げている。理由は明らかだ。渡辺は五輪3大会出場など、競技者としても世界レベルで活躍してきたエリート。9車立てよりも展開の紛れが少なく、スピードが上がりやすい7車立ては戦いやすいレース形態と言っていい。直近2場所のビッグレースを挟み、今シリーズは今期6回目の出場となる7車立て開催。自信の走りでV奪取へ。16年グランプリ以来、3年10カ月ぶりに走る立川バンクで強さを見せる。
 
 北日本の主力として渡辺一との連係が考えられるのが大槻寛徳、和田圭、竹内智彦の宮城勢。いずれも追い込み型だが、渡辺一の後ろは点数上位の大槻になるか。渡辺一との直近連係は1月いわき平記念。二次予選は清水裕友の逃げを3番手キープから渡辺一が追い込み、その内を大槻が伸びて1着でワンツー。しかし、再び一緒になった準決では接触してバランスを崩した大槻が渡辺一を巻き込んで両者とも落車。その時のうっ憤をここで晴らしたい。大槻は近況安定感を増しており、離れずにしっかり付いていけばG前での逆転も。差し脚鋭い和田や夏場から上り調子の竹内も好位を回れば浮上する。
 
 関東の軸は8月名古屋オールスターで決勝入りした諸橋愛。立川は1月記念で決勝に進んで以来。その前のFⅠでは16年8月、19年3月と決勝2着が続いている。ここは関東同士で売り出し中の若手、朝倉智仁や確かな機動力を備える池田勇人との連係から鋭さを発揮。1月名古屋FⅠ以来、今年2回目となる優勝へ気合を込める。
 
 南関を引っ張るのは渡辺雄太だ。自力でトップを目指す静岡のスター候補。立川は初登場だった15年5月A級戦で優勝を決め、16年にはヤンググランプリを制覇した思い出のバンク。昨年12月のGPシリーズ(FⅠ)では準決4着で決勝入りを逃しており、その分も、ここでしっかり結果を求める。ガッツマーカーの東龍之介や同県萩原孝之ら、ラインの援護も厚く、力を出し切ればチャンスは十分とみていい。
 

<S級決勝想定メンバー>
渡辺 一成 37 福島 88期 両方
大槻 寛徳 41 宮城 85期 追込
諸橋  愛 43 新潟 79期 追込
渡辺 雄太 25 静岡 105期 逃げ
和田  圭 34 宮城 92期 追込
  東 龍之介 30 神奈川 93期 追込
  朝倉 智仁 21 茨城 115期 逃げ