高知競輪の開設71周年記念「よさこい賞争覇戦(GⅢ)」は29日から開幕。唯一のS班選手となる佐藤慎太郎(44・福島)がシリーズを引っ張っていく。先行強力な新山響平、真杉匠、四国期待の新鋭・石原颯の活躍は必至で熱戦必至の4日間だ。

S班の誇り

佐藤慎太郎

 2019年にグランプリをV。昨年は3着で新たな年になっても、かぎりを見せるどころか、さらに安定感、凄みを増している。5月ダービーでは優勝した松浦に微差の3着。「勝っていてくれって思ったけど、素直に松浦君が強かったです」と話したが松浦、2着郡司、佐藤の3者のゴール前の攻防は競輪史に残る名勝負だった。6月高松宮記念杯の東準決勝でも強烈なさばきを見せて、小松崎大地とともに決勝戦に進出。優勝したのは宿口陽一だったが、屈指のマーク選手としての存在感を示した4日間だった。

 佐藤の強さのもとは、ハードなウエイトトレーニングで鍛えられた強じんな身体にある。44歳とは思えない筋肉量を持つ。くわえて対戦相手を研究しつくしたクレバーな走り。年を重ねるごとに成績を落とす選手が多い中で、ますます進化を続けている。

 高知は2003年オールスターでGⅠ初Vを飾った思い出のバンクだ。以後も抜群の相性で好成績を残している。そして高知記念を走り終われば、地元でのオールスター(平8月10~15日)が待っている。「いい流れで地元のGⅠにつなげたい」と気持ちも乗っている。前を任せる新山響平ら北日本の選手の層は厚く、佐藤を中心に結束して上位独占を目指す。今シリーズは唯一のS班選手となる。S班の誇りと責任感で堂々と主役を努める。