前記で紹介した選手以外にも、シリーズを盛り上げる強豪はまだまだいる。トップ級の実力を誇る郡司浩平。今年の競輪界上半期を象徴するような選手だ。2月に地元川崎で行われた全日本選抜で2度目のGⅠ優勝を決めて早々にグランプリ出場が決定。その後も高次元のレベルで安定した成績を残し、ダービーでは準V。オールスター、小田原記念は欠場となり、今回が約2カ月ぶりの実戦。レース勘には不安こそあるが、実力は折り紙付き。キレ味抜群のタテ脚を発揮してV戦線に躍り出る。

 闘志あふれる走りで近畿勢をけん引するのは稲川翔。心身ともに充実した仕上がりで臨んだ高松宮記念杯では、連日鬼気迫る走りを見せて優出。優勝には届かなかったが、タイトルホルダーの底力を示した。ヨコの動きは厳しく、タテ脚のキレも実に鋭い。近畿勢の中核となって、Vへ一点集中だ。

 パワーには定評がる取鳥雄吾もすっかり特別競輪の常連となっている。何と言っても長い距離を踏める強じんな脚力は魅力にあふれる。3月広島で開催された玉野記念では優出2着、6月久留米記念では優出3着とGⅢVまであと一歩のところまで近づいてきている。今回も自慢のパワーを存分に発揮してレースを支配する。

 九州勢は精鋭がそろっている。まずは中本匠栄。昨年の共同通信社杯を優勝してGⅡを制覇。今年は6月別府記念で優出。7月函館FⅠでは自力で組み立て最後は外を鋭く伸びて優勝を飾った。総合力の底上げに成功してタテヨコの動きは安定している。決め脚光る園田匠も見逃せない。ビッグ戦線では今年は全日本選抜で優出。大舞台で的確なコース取りが光った。FⅠ戦では7月小倉で優勝。その後も高松、久留米、直前の小松島で準V。安定した成績を残している。目標からスピードをもらってからの伸び脚は必見。ゴール前で鋭く突っ込んで存在感を示す。