四日市競輪場では、6日から「GⅢ四日市競輪開設70周年記念 泗水杯争奪戦」が開幕する。今回も4月のGⅢ「ベイサイドナイトドリーム」同様にナイターで行われる。S班は昨年11月の69周年記念覇者・佐藤慎太郎や、屈指の実力者である郡司浩平ら3人が参戦。地元勢はエース浅井康太らを中心に、精鋭が集結して牙城を守る。

 地元の絶対的エースとして君臨するのが浅井。今年はここまでFⅠシリーズを4V。9月の松阪71周年記念決勝では単騎戦となったが清水裕友、郡司浩平に宿口陽一、平原康多の埼玉コンビらを相手に後方から豪快に捲って通算30回目のGⅢVを達成した。競輪界を代表する実力者を相手に、ここ一番で磨き上げた脚力が火を噴いた。やはりグランプリ2Vの実績は、ダテではない。

 その後は共同通信社杯(岐阜)、寛仁親王牌(弥彦)といまひとつリズムに乗れてない印象だが、寛仁親王牌の最終日では共同通信社杯でGⅡ最速Vを達成した山口拳矢の捲りをキッチリ差して貫禄を示した。下半期のビッグ戦線ではなかなか結果を残せていないが、試行錯誤を重ねながら着実に、走るたびに進化を遂げている。

 現在、年間賞金ランキングは11位。グランプリ(12月30日、静岡)出場へのチャンスは今回の四日市記念と小倉競輪祭のみ。後がない状況だが、今まで幾度も困難を乗り越えて、頂点にも上り詰めたスーパースター。15年グランプリ(京王閣)を単騎戦で制しているように、勝負強さは競輪界屈指だ。今回は勝手を知っているホームバンクに加えて地元勢は同門の柴崎俊光&淳兄弟をはじめ坂口晃輔、伊藤裕貴、谷口遼平ら精鋭が集結しているのも心強く、舞台は整った。地元で最高の輝きを放って、四日市記念5度目の優勝(過去に62~64周年と67周年制覇)を飾り、競輪祭へと弾みを付ける。