今年の充実ぶりが著しいのは古性優作。オールスター(平)では待望のGⅠ初優勝を飾った。長年、S班に最も近い存在との呼び声も高かった男が、ついにタイトルホルダーの仲間入りを果たした。

 上半期は安定した成績を残すも、GⅢ以上のレースではなかなか結果を出せなかった。しかし、下半期に入ると一転。7月の福井71周年記念では力強く捲ってV。郡司浩平、山口拳矢らを相手に実力を証明。サマーナイトフェスティバル(函館)を挟んで臨んだオールスターでは初日オリオン賞に加え、4日目シャイニングスター賞も制して最高の流れで準決も勝ち上がった。迎えた決勝では五輪戦士・脇本雄太の番手をゲット。大一番でこん身差しを決めて、7度目のGⅠ決勝で初戴冠となった。「松浦(悠士)君、郡司(浩平)君がGⅠを優勝していたので、何とか追い付きたいと思っていた」。競輪界最強の脇本をかわしての優勝だけあって、さらに進化を遂げているのはうかがえる。そして、それ以上にライバルに負けたくないという気持ちでつかんだVは、今後の糧になる。

 直前の寛仁親王牌では惜しくも優出とはならなかったが、連日古性らしくタテヨコ強気な攻めを見せて存在感を示していた。グランプリのきっぷをつかんで勢いに乗る〝浪速のファイター〟が、強気な攻勢からシャープなタテ脚を発揮してV奪取に臨む。