今年ラストのGⅠ「第63回競輪祭」が発祥の地・小倉競輪場(北九州メディアドーム)で18日から23日までナイターで開催される。年末の静岡グランプリ(GP)の出場権を巡る攻防はもちろん、ガールズGPトライアルも見逃せない。KEIRINスポニチでは充実期に入った郡司浩平(31=神奈川)に熱視線をおくる。昨年、タイトルホルダーに初めてその名を刻んだ地で再び躍動する。

 昨年の第62回大会決勝でGⅠ初優勝を達成した郡司浩平はその後のGⅠでも堂々主役を張った。2月、ホームバンクの川崎で55年ぶりに行われたGⅠ(全日本選抜)も制した。二つのGⅠ決勝を振り返ろう。競輪祭は後輩の松井宏佑がひと肌脱ぎ、全日本選抜は今年静岡に移籍した深谷知広が発進し、ともに番手捲りでGⅠ連覇を達成している。

 トップクラスの脚力は言うまでもない。しかし競輪は脚力だけでは勝てない。誰からも好かれる人間性を持ち合わせている郡司を南関の仲間が後押しするのは当然だ。今年の郡司は全日本選抜の優勝をはじめ、4月川崎、9月平塚の両地元記念も制した。5月京王閣、6月別府、7月福井の記念開催はいずれも準優勝と安定した成績を収めている。

 破壊力満点の捲り。場数もしっかり踏み、豊富な実績を積み重ねてきた。全盛?いや、まだまだ伸びしろはタップリ。今回も昨年決勝で男を上げた松井宏佑や松谷秀幸、内藤秀久の神奈川勢、さらに深谷知広をはじめとする南関勢と息の合った連係を見せてくれることだろう。

 「ラインのありがたみはつくづく感じてる。GⅠを二つ獲れたけど、自分だけの力じゃ無理。この先も南関を引っ張っていけるよう、精進を怠らないよう頑張っていきたい」。周りを気遣う郡司らしいコメントだ。調整にぬかりはない。「ファンの期待に応えられるよう、できることをしっかりやる」。競輪祭連覇へ、郡司は眼光を光らせた。

バンク特徴

 軽めで妙なクセもない高速バンクで「走りやすい」が選手間の全般的な感想。雨、風の影響がないドーム。先行が有利と言えるが、スター選手が集まるGⅠだけに逃げ切りは難しい。車券戦術はやはり追い込み勢が中心になる。捲りは3角からの上りで失速するケースをよく目にする。3角までにハナに立つ早めの仕掛けが有効だ。直線の伸びは内、中、外と平均的だが、外帯線の外寄りに鋭く伸びるコースがある。

GP行方

 今年のGⅠは2月全日本選抜(川崎)=郡司浩平、5月日本選手権(京王閣)は松浦悠士、6月高松宮記念杯(岸和田)=宿口陽一、8月オールスター(いわき平)=古性優作、10月寛仁親王牌(弥彦)=平原康多がそれぞれ優勝。この5人は確定。賞金ランキング第5位~7位の清水裕友、守沢太志、佐藤慎太郎まで安全圏と言っていいだろう。残る枠は一つ。同8位の山口拳矢を同10位浅井康太、同11位の吉田拓矢が追うが、その差800万円以上を考えると浅井、吉田は決勝進出が条件となる。

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