佐世保記念は好相性
新山 響平
先月の競輪祭では寛仁親王牌に続いて通算3回目のGⅠ決勝進出を果たした新山響平。3回目の大舞台にして初めて最終BSを奪うと、最終4角を初めて先頭で回った。ゴール直前まで誰にも先頭を譲らなかったが、最後の最後にオレンジの勝負服が大外を強襲。ほぼ手中にしていたGⅠタイトルが、寸前のところでこぼれ落ちた。
4分の3車身差での悔しい準V。優勝したのが同期のライバル・吉田拓矢だったのも悔しさを増長させただろう。 「拓矢に、もう追いつくことができないんじゃないのか…って思ってしまう。でも、手応えもつかめた。また頑張ります」
レース直後は質問や写真撮影に気丈に応じたが、悔しさをかみ殺す表情が印象的だった。実は似たような光景が、昨年の佐世保記念決勝でもあった。打鐘から逃げた新山が最後の直線も先頭で迎えたが、3番手にいた吉田が直線強襲でGⅢ初制覇。新山は競輪祭と同じ4分の3車身差で2着だった。
佐世保記念は優勝こそないが、66、68、70周年で決勝進出している好相性の大会だ。68周年は新山マークの五十嵐力が優勝し、自身は3着。そして昨年は準Vと好結果を残している。
昨年の当大会でGⅢ初制覇を飾った吉田は、21年に飛躍を遂げてGⅠタイトルホルダーにまで駆け上がった。22年をさらなる重要な一年にするためにも、今年は新山が佐世保記念Vを狙っている。