大垣競輪の開設69周年記念・水都大垣杯(GⅢ)は10日に開幕する。関東のカリスマ平原康多と南関のエース郡司浩平に、地元のスーパールーキー山口拳矢がどこまで迫るかが見どころの4日間決戦。守沢太志も北日本ラインの中核としてSS戦士の意地を見せたいところだ。

通算29回目のGⅢVだ!

 今年最初のGⅠ全日本選抜。平原は初戦を捲り、2日目の優秀スタールビー賞も絶妙な立ち回りで制した。準決勝は逃げた真杉匠を盛り立てながらの番手戦。すぐ後ろの3番手から新田祐大に捲られて2着に甘んじたが、絶好調と呼べる3日間の動きだった。

 それだけに決勝戦は非常に悔しい結果だったに違いない。南関単騎となった深谷知広とタッグを組む選択肢もあった。しかし「関東の仲間たちのおかげで勝ち上がれたので」と義理を通して単騎戦を選択。平原らしい決断だったと思う。

 しかしスタート合戦で前の位置を取れず、最後方での周回に。一つ前の8番手には同じく深谷がいる。その深谷もまた単騎の競走。脚を使って抑えに行くわけがなかった。レースはそのまま隊列が入れ変わることもなく、赤板、打鐘、最終ホームを迎え、終始9番手に置かれた平原は完全に勝機を逸してしまう。らしくないレースだった。

 直前の名古屋記念では平原に憧れ、背中を追う113期の真杉が、待望の記念初Vを飾ったばかり。関東チームの総大将として、これ以上うれしいことはないだろう。真杉から受け取ったバトンを手に、通算29回目、今年2度目のGⅢVを決めたい4日間だ。