福島勢がV争いをにぎわす

 ここからは有力メンバーを地区別に見ていこう。

 北日本勢は直前のGⅠ高松宮記念杯で優出した小松崎大地(福島)と成田和也(福島)が参戦。さらには16年2月に当地で行われた全日本選抜でGⅠ初優勝した渡辺一成(福島)に、差し鋭い佐々木雄一(福島)もいて福島勢が充実布陣だ。

 小松崎は2度の熊本記念in久留米出走があるが、久留米記念は初参戦。パワーあふれる自力攻撃で他地区に大きく立ちはだかる。今年の成田は絶好調モードに突入中。初戦の大宮記念を12②❷で滑り出すと、2月のGⅠ全日本選抜、3月のGⅡウィナーズカップでファイナル進出。直前の高松宮記念杯もベスト9入りを果たし、競走得点も116点まで上昇した。鋭い差し脚からは目が離せない。

 関東勢は高松宮記念杯に出場した雨谷一樹(栃木)、武藤龍生(埼玉)、黒沢征治(埼玉)に、7月のGⅡサマーナイトフェスティバルでビッグ初参戦が決まっている高橋築(東京)も軽視はできない。

 南関勢は大黒柱の郡司浩平(神奈川)に、根田空史(千葉)の機動力、しぶとい白戸淳太郎(神奈川)も侮れない。

 中部勢はパワフルな攻撃力で魅了する竹内雄作(岐阜)に、近況好調な笠松信幸(愛知)のS1コンビに加えて、8月のオールスターでGⅠ初出場が決まった橋本優己(岐阜)のフレッシュな走りにも注目が集まる。

 近畿勢は稲垣裕之(京都)と村田雅一(兵庫)がシャープなタテ脚で上位進出を狙う。地元GⅠの高松宮記念杯で存在感を大いに示した岡崎智哉(大阪)は予選スタートから旋風を巻き起こす。オールスター出場が決まった小森貴大(福井)は5月の岸和田FⅠで完全Vを飾るなど好調だ。藤井栄二(兵庫)の突進力も見逃せない。

 清水裕友(山口)が率いる中国勢は、オールスターでオリオン賞出走が決まった町田太我(広島)が先行力を見せつける。久留米はA、S級どちらも完全Vがありバンク相性は良好だ。桑原大志(山口)は高松宮記念杯の最終日に落車。状態は気がかりだが、出走してくれば優出した昨年大会のように上位進出の期待が高まる。成長著しい山根将太(岡山)は欠場明けになるが、積極的な走りで持ち前のスピードをいかんなく発揮する。

 四国勢は当地好相性の門田凌(愛媛)に要注意。当地GⅢは2回の優出があり、昨年大会は21②❷とオール2連対で準優勝。今年も大暴れに期待しよう。松本貴治(愛媛)は高松宮記念杯の初日に落車して途中欠場。割り引きは必要だが、本来のパワーを考えると軽視はできないだろう。堤洋(徳島)と田尾駿介(高知)の追い込み陣も侮れない存在だ。

 福岡勢以外の九州勢は伊藤颯馬(沖縄)、阿部将大(大分)、伊藤旭(熊本)、松本秀之介(熊本)と、イキのいい機動型が勢ぞろい。2月高知のGⅢ施設整備等協賛競輪でS級初Vを飾った阿部はオールスターでGⅠ初出場も決まった。初の九州地区のGⅢ参戦で積極的な走りを披露する。