今シリーズは混戦必至。図抜けた実力者が不在でメンバー構成ひとつの戦いになってくる。本線を形成していくのは実績的に元S級戦士の猪俣と山内だ。

 猪俣は負傷欠場後の7月松阪で、いきなり❷②❷。続く2場所も決勝戦に進出と、走るたびに復調していることが明らか。元々、捲りのスピードに見どころがあり、ここという時、一気に踏み込むスピードはA級屈指。今回も仕掛けるタイミングを見計らって、V戦線を賑わしてくるはず。

 マークする同県・山内は今期A級戦となるが、元々S級のグレード戦で、戦っていたマーカーだ。05年、西日本王座決定戦で優勝したほど。降級後、4場所、優勝はないが、今回は頼りになる猪俣との連係が見込めるだけに、Vのチャンスは十分だ。

 中部勢の後位には目標不在となれば近畿の篠塚光一(42=兵庫)、堺文人(43=和歌山)が、ラインを固めるか、差し勝負になってくるであろう。

 中四国勢は城戸がV候補の一角だ。前回小倉では❶③❼。決勝は茨栃勢の発進に屈したが、初日は元S級・早坂秀悟の先行を11秒2で捲り快勝。ツボにハマった時の破壊力には、見るべきものがある。今回は練習する期間があり、十分、調整し、決勝までは確実に勝ち上がってくるはず。メンバー的にも、ここはモノにしたいところだ。

 マークは同県の棚橋勉(41=岡山)か、さばき確かで城戸との連係実績がある上田学(51=愛媛)か。

 地元地区の九州勢は、やや劣勢。主力の自力型が見当たらないのが全て。予選から119期の林昴(20=福岡)が勝ち上がってくれば中村雅仁(40=熊本)の出番がやってくる。

 地元の英雄・04年の競輪GP王者・小野俊之(46=大分)は7月防府でゴール後、落車明け後なので、初日の動きには注目したい。