地元記念5連覇に挑む
清水 裕友
地元のスーパーエース・清水裕友が今年も主役の座を譲らない。昨年の地元記念を制し、周年記念の前節後節が撤廃された02年以降で史上初の同一記念4連覇を達成。しかも地元3人でワンツースリーのおまけつき。レース後は「誰もやったことのないことをやってみたかったので、今までで一番うれしい。しかも地元3人で決まって最高」と喜びを爆発させた。あれから一年。昨年の決勝日だった11月3日から今年の防府記念がスタートする。
「走るからには勝って、5連覇を狙いたい。最低でも山口県の誰かが優勝を。それが自分だったら最高」
S班になってからは年に一度の地元凱旋レース。毎年、プレッシャーをはねのけて最高の結果を残してきた。ここまで今年のVは3月のGⅡ宇都宮ウィナーズカップだけ。賞金ランクも9位で5年連続のグランプリ出場へは微妙な位置になっている。リズム的にはけっして順調とはいえないものの、直前のGⅠ前橋寛仁親王牌で復調を大いにアピール。盟友の松浦悠士目標から初日の理事長杯を制すと、自力戦だった2日目のローズカップはライン4車で駆けた新田祐大を捲り、松浦の1着に貢献(自身は3着)。準決勝は「33バンクで前々に攻めようという気持ちが裏目に出て」6着に終わり優出を逃したが、最終日は捲りを決め2着。4日間、周囲の不安を吹き飛ばす走りを見せてくれた。
「自転車を替えて調子自体も悪くなかった。準決勝が結果的に脚を余して終わってしまって悔しい結果になったけど、最終日も雑なレースにならないように気持ちを入れて走れた。今年のGⅠでは一番動けた」
苦しい一年になっているが、気温の低下とともに状態は右肩上がり。「寒くなるのは大歓迎」。ここからますます調子を上げていくだろう。グランプリ出場争いも地元記念とGⅠ競輪祭を残すのみ。「ここだけは譲れない」と表現する地元記念。しばらく防府競輪場でレースを見られない地元ファンに勇姿と最高の結果を届け、5連覇を成し遂げて今年最後のGⅠに最高の勢いをつける。