競輪祭初Vへ

脇本 雄太

「自分らしさを出せるように」

 先行日本一の称号を手に脇本雄太が64代チャンピオンの座を目指す。

 昨年夏まで東京五輪でのメダルを目指し、ナショナルチームで汗を流した。悲願のメダル獲得の夢は水泡と消えたが、ナショナルチームで培われた脚力は破格だ。自転車競技から離れ、今年から本業の競輪に専念することになった。世界の強豪を相手に好勝負を演じてきただけあって、国内では敵なしだ。異次元のパワーで5月日本選手権を制すと、8月オールスターは完全優勝で7度目のGⅠ優勝を達成した。

 高松宮記念杯、寛仁親王牌も獲って、残るタイトルは競輪祭と全日本選抜。今の脇本なら一気に突っ走り、新田祐大に次ぐ史上5人目のグランドスラムまで駆け上がれる。そう予感させる充実ぶりだ。

 競輪祭は6日制のナイターに変更になった第60回大会で準優勝も、一昨年は一次予選1で落車し途中欠場。昨年は疲労骨折による体調不良で無念の欠場を余儀なくされた。だが順調にトレーニングを消化できてる今、不安はない。「自分らしさを出せるように」。これまで縁のなかった競輪祭だが、過去は参考にならない。のっけからアクセル全開だ。