S級展望


 東西を代表する実力者が集まりVの行方は混とん。しかしながら、トップクラスの先行力を身につけた真杉匠を擁する東勢が優位に運びそうだ。昨年の真杉は3月名古屋で逃げ切り記念初Vを達成すると、5月のいわき平では2年連続のダービー優出を果たした。

 さらに6月の小松島記念も別線勢を完封する逃げ切りで2度目の記念Vをもぎとった。年末の向日町FⅠ、仕事始めの取手FⅠを連覇。直前の和歌山記念も決勝進出と乗れに乗れている。冬場の別府バンクは風が強いことで有名だが、そんなことお構いなし。真杉が風を切り裂く強力なフットワークでV戦線をリードする。

 そんな真杉のパートナーは武田豊樹だ。49歳という年齢からくる衰えは否めないものの、GP1勝、GⅠ7勝と輪界に輝かしい実績を残した。武田が真杉の番手を死守。栃茨コンビがワンツーを目指す。

 北日本は競輪道をわきまえた大槻寛徳と竹内智彦が代表格。ともに目標不在の構成ではシビアに位置取りをこなす生粋のマーカー。上位に通用する北日本の機動力型が見当たらないが、先行で売り出し中の北井佑季に乗れるパターンになればチャンスの輪が広がる。

 四国勢は香川雄介の動向が見逃せない。過去、何度も連係している太田竜馬の欠場はマイナス材料だが、仕事始めの久留米FⅠを準優勝するなど相変わらずしぶとい。好位キープしながら香川がラストの直線で鋭い差し脚を伸ばす。

 九州勢から嘉永泰斗が名乗りを挙げる。冒頭の真杉とは同期でライバル意識を燃やす。一作年に熊本記念(久留米開催)を制し、一皮むけた嘉永が持ち前の機動力を生かし逆転を目指す。


A級展望

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