今開催は九州勢の布陣が充実している。予選スタートになるが1番の注目選手は後藤大輝。今期のハイライトは8連勝を決めて特昇をかけた3月末の小倉FⅡミッド決勝戦。なんと単騎戦になり「どうして走ったらいいか」と迷いがあり、中団に拘ったため、本来の力を発揮できず。それでも気を取り直し直後の岸和田で完全優勝。「全部突っ張るつもりだったので、結果が出て良かったです」現在S級1班の松岡辰泰(26=熊本)の助言でウエート・トレを入念に取り入れ、かなり筋力も付いてきた印象がある。今回は援軍が豊富なので迷いない先行でV街道を突っ走るか。前回武雄決勝では師匠・桑原亮を先導し果敢に逃げて3着。やはりハナを切れば、後藤大輝は他のラインに捲らせない。今節も大注目!

 特選組の筆頭格は渡辺豪大。戦法的には何でもできる。本来S級でも活躍していた実力派だ。腰痛さえ治まっていれば当然、V候補の一角。準決か決勝で後藤大輝と連係し、番手無風なら十分、差せる場面はある。前回小倉は番手戦で見事に優勝。動きの良さも目立った。準決はバランスを崩しながらも上がり11秒0の捲り。後藤大輝の番手回りなら渡辺豪大が主役とみていい。

 同県・鶴良生にも同じことがいえる。近況、前で戦うことはもちろん、番手戦も増えてきた。展開と並びひとつで十分、V圏内に入ってくる。名川豊は好調時の感じではないが、きっかけさえ掴めば、上位の評価が必要になってくる。あとは3月末に岡山から沖縄に移籍した工藤文彦(40=沖縄97期)もガッチリ九州で結束し、直線勝負にかける。あとは何番手になるかがポイントだ。

 強力な九州勢を崩していくのが山本奨だ。前回小倉FⅡ戦が❶①❸。決勝は後方に置かれて届かずの展開になったが、初日特選と準決の走りが見事であった。初日特選が果敢な立部楓真を相手に鐘先行で逃げ切り!準決が谷口力也の番手をさばき、最後はきっちり差し切り快勝。「今は体調もいいし、何でもやっていきます」来期S級復帰に向けて、中身の濃いレースを見せている。今回、福岡勢が自力同士で並ぶなら、分断策を視野に入れつつ、総力戦で打開するか。狙い目は九州勢が人気するなら、攻め幅広い山本奨のアタマかもしれない。山本奨マークは今年2Vの田中勇二(35=岡山95期)。切れ味の良さには定評があり、後藤大輝の9連勝をストップさせたのが、この男!決勝で山本奨と連係すれば、岡山ワンツーも十分だ。

 九州勢、岡山勢が前でやりあうなら北日本勢の同門コンビ・菅野航基―阿部架惟都の出番がやってくる。菅野航基は2月松戸で完全V、阿部架惟都は3月中旬の静岡で完全Vと魅力あふれるコンビだ。当所では昨年12月決勝で連係した実績がある。ただ、その時は今期S級で活躍している佐々木龍が相手だっただけに仕方ない。今回も同乗するケースがあれば連係し、強敵の九州、岡山勢に対し、果敢に勝負を挑んでくる。もちろん狙いはハコ回りなら阿部架惟都から十分、買える。

 他派では関東勢は4月上旬の松戸で❷①❶で優勝の梁島邦友(23=茨城117期)に連係するであろう底力ある上原龍(38=長野95期)も流れ一つで上位争い。カマシ強力の矢口大樹(34=千葉95期)も乱戦になれば浮上してくる。とにかく今節は九州勢優勢もA級上位の顔ぶれがそろい、見応えたっぷりだ。


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