卒記クイーンの大物感
松井 優佳
◇本格デビュー戦で決勝に
124期の卒記クイーンに輝いた松井優佳。在所成績は2位だったが、養成所の競走訓練では唯一20勝の大台に乗せた。卒業記念レースではその実力を遺憾なく発揮。見事4連勝の完全優勝を達成した。
その松井が自転車に興味を持ったのは小学生の時に挑戦したトライアスロンがきっかけだった。
中学時代に観たガールズケイリンに魅了され、高校は自転車競技部の名門・鹿児島の南大隅高校へ入学。寮生活を送りながら、本格的に自転車競技を始めた。
高校総体の女子ポイントレース優勝など、中長距離で活躍したが、「ダッシュが得意」という事で、同志社大学へ進学後は短距離へ転向。
学生選手権女子スプリント1位、500㍍タイムトライアル1位など数々の好成績を残した。それと同時に勉学にも励み教員免許も取得。文武両道を地で行く足跡だ。
ルーキーシリーズは3戦して準Vが2回。「積極的に走れたけど、優勝できなかったのは悔しい」と満足する結果が残せなかった。
◇〝ダッシュ〟に自信 課題は持久力とメンタル
本格デビューとなった7月5日からの向日町競輪。
「めちゃくちゃ緊張しています(苦笑)。先輩方はレースがうまいので、それに早く慣れるようにしたい」と初々しく話した。
予選1は前受けから番手に入り、内で粘る展開。コースが空いた4角から踏み込み1着スタート。
「〝自力〟と言って自力を出せなかったのは反省点」と課題を残したが、予選2は先行態勢のところをカマされ番手にはまる展開から、すかさずバック手前から捲って快勝。
「きょうは力を出せたかな」と納得の競走。
決勝戦はトップクラスに成長した地元の坂口楓華との連勝対決となった。
「坂口さんとは力が違うし、チャレンジャーです。優勝よりも力を出し切る事ですね」ときっぱり。
その決勝戦は打鐘4角から一気に先行。好ピッチで逃げたが、6番手の坂口に捲られて4着に敗退。それでも自分のレースはしたし、力は出し切った。
〝ダッシュ〟には自信。課題は長い距離をもがける持久力と〝メンタル面〟の強化だとの事だ。
あこがれの古性優作に「自転車の乗り方が良くなっている」と日々の成長の跡も見られる。近い将来、ガールズケイリンを席巻する存在となるのは間違いない。
◇松井 優佳(まつい・ゆうか)1999年(平11)4月27日生まれ、大阪府吹田市出身の24歳。同志社大学卒業。主なアマ歴は21年のインカレで500㍍TT1位、女子スプリント1位。124期の卒記クイーンに輝く。1㍍64、61㌔。血液型AB。