A級戦展望

 V筆頭は前回松阪ミッドで優勝した松坂侑亮(25=神奈川115期)。今期3V。特に前回松阪は3日間バックを取り、決勝は疋田力也―溝口葵のタテ脚ある中部コンビを出させず、突っ張り先行。後ろのもつれがあったとはいえ、堂々の押し切り!「ダッシュがないので」というが、ジワジワと掛かっていく先行力は魅力そのもの。

 当所は久々となるが、前有利の小倉だけに積極的に攻めていけば松阪ラインが本線となる。番手はライン的に、さばき確かな出沢拓也(33=神奈川115期)か。ただ近況は以前ほどの差し脚が見られず。立て直していればの感じ。直前の立川を欠場しており、節間の気配に注目したい。

 北勢ではやはりタイトルホルダー(ダービー王)の岡部芳幸(53=福島66期)。3月初旬の地元いわき平で1①❷。直前川崎が病気欠場。これが気になるが、復調していれば東ラインということで、松坂侑亮のハコ回りになる流れも十分。無風で回ってくればV機がやってくる。

 同地区の森田康嗣(42=北海道89期)は近況、かなりムラがある成績だが、大好きな当所を走れば、ガラッと気配が変わってくるかもしれない。小倉ではV歴もあり「毎月でも小倉は走りたいぐらいです」と言うほど。今の戦歴では評価が下がるので、人気薄の初日が案外、狙い目か。とにかく小倉では5割増しの評価が必要だ。

 四国勢は期待の塩崎隼秀が欠場。これが痛い。特に前回立川で久々の優勝を決めた室井竜二(53=徳島65期)にとっては塩崎不在は痛恨であろう。それでも前回決勝、板崎佑矢に任せて伸びてきた脚を見れば明らかに復調気配。ここは、九州勢と連係するか、単騎で決めずか。展開次第では出番ありの感はある。

 中国勢は何でもできる追加配分の今岡徹二(29=広島111期)。今はタテ脚よりも追い込み重視の戦い。今節、ライン的に前を任すパリッとした自力型が不在なので、何でもやる総力戦で上位に絡んでくるか。

 当然、地元地区の九州勢がV候補・松坂侑亮に挑む。前を務めるツートップは松本秀之慎(21=熊本121期)、堀川敬太郎(22=福岡123期)の元気印!

 松本秀之慎は現在S級の兄・松本秀之介を追って輪界入り。今期A2だが、スピード力はS級並み。ただ少し構えるところがあり、それがネックになっている部分である。

 今年前半は配分が少し詰まっていて「なかなか、まとまった練習が…」。昨年末の久留米V以来、優勝から遠ざかっており、直前の武雄を欠場。まずは初日の気配を確かめたい。

 一方、勢いでは松本秀之介より123期・堀川敬太郎だ。チャレンジからの特昇後、初戦が小倉で1②❷。決勝は中川聖大の優勝に貢献する先行で、2着に踏ん張った。大したものだ。その後、2場所走り、前回武雄(2①❼)は前期S級・城戸俊潔相手に大分の一丸尚伍を引っ張り、優勝に導いた。

 1、2班戦で走るたびに力を付けているのは明らか。ハナを切れば掛かり上々!今節も九州ラインを果敢に引っ張っていく覚悟であろう。当然、堀川敬太郎自身も争覇圏内に残ってくる。

 斡旋停止(誘導の早期追い抜き)期間が長かった前田義和(39=鹿児島94期)が前回名古屋で4①❻と、徐々にエンジンがかかってきた。もともと、特選級のスピード派。レース勘や仕掛けていく勇気が戻ってくれば点数以上の成績を残して当然。まずは初日の動きには次第で評価したい。

 そして長らくS級戦線で戦っていた合志正臣(46=熊本81期)も出走予定。今年1月松山を走ってから欠場が続いているのが気になる。同県の仲間によると「練習はしっかりやっているので」。以前の鋭さを求めるのは酷だが、初日予選の走り次第になってくる。

 総合的に判断すれば松坂侑亮VS九州ラインの戦いになるシリーズだ。


ガールズ戦展望

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