今節のシリーズリーダーは関東の片折亮太。S級戦でも十分、勝ち負けになる脚力を秘めているが、今期はA級戦での戦い。1月から6場所走り、すべて決勝入り。うち3度の優勝。当然の戦歴である。特に前場所、四日市❶①❹と決勝は4着に敗れたが対戦相手だった小林則之が「片折君が強かった。その夜、自分はヒリついたぐらい。悔しくて」と言うほど。4着に沈んだとはいえ、中部の2段駆けを封じる突っ張り先行。最後は一杯一杯となり、地元の下岡将也が強襲し、優勝したがレース内容は片折が1番、光っていた。今節は3日間共に、おそらく自力戦となるが、冷静に流れを見分けて優勝を狙う。

 片折マークは勝ち上がってくればライン的に山崎悟(39=茨城92期)か。2場所前の名古屋準決で今井聡が行けずでも、直線中割り差しで1着。スッと付いていける流れなら、いい勝負に持ち込む。

 南関勢では斎藤雄行に期待が集まる。大学、社会人では野球に専念していたが、一念発起し輪界入り。適性出身で自転車に慣れるまで時間がかかったものの、昨年からジワジワと浮上してきた。今期2V。直前の西武園では❶②❶。決勝は単騎で4番手を奪い、一撃捲り!逃げてよし、捲ってよし。持ち味の先行力は、まさに当所向き。マイペース駆けに持ち込めば片折が相手でも互角の勝負を演じていく。

 中四国勢の筆頭格は気鋭の青木瑞樹(24=岡山123期)。今期A2で予選スタートとなるが、ほぼ決勝戦には勝ち上がってくるパワー型。今年2月松戸で1②❶の逃げ切りV!当所では年頭に出走し、1①❷。この時、決勝ゴール後に転倒し落車。大ケガにはならなかったのが幸いであった。マークし優勝した桶谷明誉が「青木君、どんどん掛かっていくし、強い」と話すほど。佐世保の走り方、攻め方が分かっているだけに、東勢の強力ツートップが相手でも狙ってみたい選手だ。

 青木瑞樹マークは四国勢になってきそうな構成。その1番手はS下がりの野本翔太(39=高知91期)。昨年末の落車負傷が響いて、波に乗れない近況だ。直前西武園が❻④2。まだアタマを取れるほどの感じではないが、展開に恵まれれば、連争いは必至。自力勝負に徹している小川祐司(41=愛媛96期)は底力あるが、近況、予選でも取りこぼすケースがある。小川祐司と同県の野村典嗣(33=同109期)は少し戻ってきたかに、見えたが、直近のレースを見ると、まだ信用できるほどではない。直前松阪が❺⑤2。競走得点ほどの強みが…。とにかく道中の気配次第か。

 地元地区、九州勢期待の自力は松本憲斗(27=熊本119期)と長松空吾(23=大分123期)。松本憲斗は前回小倉が❶⑥3。初日特選は主力だった照井拓成の最終ホーム捲りを追いかけ、ゴール前捲り追い込んだが、準決は二分戦のワナ、仕掛け遅れてしまったのが全て。「自分の脚を信用しきれなかった。悔しいですね」。前場所は腰痛と右腕のしびれで欠場明けだったが、ウエートで筋力アップに成功し「体重も8㌔ほど増えた」と挑んだ一戦であったが、成績が伴わず。仕切り直しとなる復帰2戦目で本領発揮といきたいところであろう。

 今期2班だが勢いは長松空吾。2月小倉で1①❶の完全V。1、2班戦で初優勝を飾った。「優勝を狙いたい」と話していた通り、有言実行のV捲り!構えず、一気のカマシ、捲りを放つことが出来れば、上位陣が相手でも十分、勝負になる。この両自力型をマークするのが地元のベテラン阪本正和(53=長崎70期)。ただ直前の小倉で❺⑦欠。前回地元戦が❸①❻。今期S下がりで、まだピリッとしたところが見えてこないが、地元の気合で凌ぎたいのが本音。とにかく展開一つの感じである。

 そして直前に九州ラインには、いいね、と言える追加の選手が決定した。先日、名古屋で9連勝!チャレンジから特昇を決めた半田誠が1、2班戦で初登場。前回の名古屋決勝では桜木雄太と特昇をかけた戦いに挑み、捲り一撃で3場所連続完全V!いよいよエンジンが掛かってきた感があり、初日予選から注目していただきたい。

 今シリーズ総合的に判断すれば、片折亮太が力で一歩リードしているが、他派もライン次第で互角の戦いになる。好メンバーがそろい、白熱した「オズパ祭杯」になる。


チャレンジ戦

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