S級見どころ

佐々木の底力信頼

 自力のある選手の中では今節、最も競走得点を持っている佐々木真也。スタイルは自在。基本は自力勝負だが、ヨコも器用にこなせる。自力で戦う南関の仲間がいればラインの番手や3番手。GⅢで初めて決勝に進んだ昨年2月静岡記念では南関から動ける4人が勝ち上がり、この時は格上3人の後ろで4番手を固めている。状況に応じ、どの位置でも全身全霊。ラインの中でしっかりと役割を果たす。

 直近の約半年を振り返ると、FⅠ戦で印象に残るのが昨年11月和歌山と今年1月岐阜。和歌山ではS級決勝で初めて2着に入って連対。初日から3走とも同県自力型の後ろでラインの番手回り。予選は松坂侑亮、準決は同期同学年の青野将大を目標に1着。決勝は準決同様に青野と連係も、すんなりとはいかず初手から競り込まれる流れに。それでも、うまくさばいて番手キープ。別線自力型の強烈捲りが飛んでくると、これを3角から2回ブロックして止め、逃げ切った青野と絆のワンツーを決めた。

 岐阜ではS級初Vをゲット。この時も自力ではなく同県ハイパワー松井宏佑の番手。赤板から出て逃げた松井を後ろで車間を空けて援護。ゴール前で差し切って3番手を固めた大塚玲と神奈川3人でのワンツースリーが決まった。そしてGⅠ初出場だった前走いわき平ダービーでは、1走目の一予で1着。ここでも前で動いた簗田一輝の後ろ。好位から捲り追い込んだ簗田追走から空いたコースを伸びて、GⅠ最高峰のダービー初戦でビッグ初勝利を挙げた。

 函館では初登場20年9月チャレンジ戦で3連勝。昨年6月FⅠでも決勝へ。バンクのイメージも悪くはないか。南関の自力型は2班に同期長田龍拳のほかS級特進から2場所目の内山雅貴、スピードある斎木翔多がいる。同県追い込み型の石塚孝幸も一緒になれば心強い味方になる。


 今節得点最上位の追い込み型は河野通孝。前走玉野FⅠでは初日特選1着も準決で4着に敗れ決勝入りならず。ここで取り戻せるか。徹底先行で売り出す若手の山口多聞が走るごとに上昇。前々走京王閣FⅠでS級に上がって2回目の決勝入り。逃げて粘り込めば、展開は番手を回って好ガードからの抜け出しを狙う河野に向く。

 福岡、久留米同士でのタッグは吉本卓仁と坂本健太郎。前で動く組み立ては吉本とみる。好機に自力で仕掛けて持ち味を発揮。うまく流れに乗って出られるかが鍵だ。追い込みが基本の坂本は吉本に任せての勝負となりそう。鋭く伸びると怖い。

 九州勢では2班でも点数を持ってい嶋田誠也も追い込み主体の走りで成績が安定。4月京王閣FⅠで捲りVの徳永哲人や前走弥彦FⅠ準決で捲りを決め1着で坂本とワンツーの兼本将太にも要注目だ。

 三宅達也は前々走地元戦の玉野FⅠでV。目標次第と言えそうだが、いざとなれば自力を出すことも。北日本の1班は五日市誠。前走西武園FⅠでは3日間、確定板入り。理想は機動力ある坂本周作と八戸同士での連係。流れが向けば浮上がある。


A級見どころ
伸び盛りの
黒瀬浩太郎にチャンス

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