A級1、2班戦展望


 A級1、2班の精鋭が繰り広げる優勝争いは見応え十分。東西の実力者、個性派が顔を並べる波乱含みのシリーズとなりそうだが、V争いは上遠野拓馬(31=宮城)が引っ張る。

 昨年1年間、S級に在籍。降格後の今期は10場所を消化し8優出とコンスタントに決勝進出。優勝1回は物足りないものの、準優勝も4回あり安定した戦歴を残す。昨年のS級では洗礼を浴び続けたものの底力は上位。格上の機動力を見せつけるはずだ。

 その上遠野と連係できる杉山悠也(41=秋田)にもチャンスだ。S級経験豊富でハンドルワークは確か。差し脚も健在だ。上遠野の心意気、攻め方次第では杉山が急浮上を果たそう。

 浅見隼(27=福岡)擁する九州勢が北日本コンビに立ちはだかる。高木和仁(50=福岡)、加倉正義(53=福岡)のベテラン久留米コンビが浅見を盛り立てる。

 浮沈のカギを握る浅見は前々回の別府で今年初V。ムラだが、ツボにはまったときの自力攻勢は上遠野とも互角の評価ができる。

 番手回りが想定される高木は93.38と持ち点最上位。なかなか優勝の美酒を味わえないもどかしさも同居するが、S級降格後の今期10場所で9回決勝に進出するしぶとさを発揮している。

 タイトルホルダーの加倉もまだまだ元気。浅見―高木―加倉の九州連係が実現すれば、こちらに軍配が上がるかもしれない。

 主導権争い譲らない林昌幸(22=愛媛)もV圏内だ。23年前期から2年間、S級に在籍。今期、無念の降格となったが、積極果敢に攻める強気なレーススタイルは買える。

 林には安崇之(47=香川)がマークする。目標に左右される面は否めないが、今回は林という頼もしい四国の後輩とセット配分だけにやる気もひと潮だろう。

 今年2Vを飾るなど力を付けた野崎将史(38=岡山)は四国勢との連係になるだろう。3番手回りは遠いが、もつれる流れも十分考えられるだけに長い熊本も直線を突き抜けてもおかしくない。

 兄・尚宗(113期)を追って輪界デビューした栗本武典(28=千葉)が戦線をかく乱。今年は2月佐世保でV取りに成功。安定感には欠けるが、かまし、捲りの一発攻勢は侮れないものとなる。


ガールズ戦展望


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