S級戦展望
山田庸平
4月の地元周年で完全優勝を果たした山田庸平(37=佐賀)が、再び地元GⅢで主役を務める。ダービーは残念ながら二次予選敗退となってしまったが、初日と最終日に白星をゲット。最終日は豪快に捲りを決め、状態は崩れていない。初めてのミッドナイト参戦になるが走り慣れた地元戦なら問題はないはず。地元GⅢ連続Vを目指しての3日間になるだろう。
山口敦也 井上昌己
九州勢のS級1班は他にも地元の山口敦也(27=佐賀)や、井上昌己(45=長崎)、北津留翼(40=福岡)、阿部将大(28=大分)に、高松FⅠでVを飾った上野優太(28=熊本)が出走。勝ち上がり次第では別線勝負も致し方なし、という悩みになる可能性もありそうな布陣だ。
特に山口は4月の地元記念が二次予選敗退、節間未勝利と悔しい結果に終わっただけに今回こそは、の気持ちが強い。昨年3月の大阪・関西万博協賛競輪以来となる地元GⅢ決勝進出を狙う。
鈴木竜士
他地区でもっとも脅威なのが2月の小松島に続くミッドナイトGⅢ連続Vを目指す鈴木竜士(31=東京)だ。続く大垣GⅢも決勝進出を果たし、前回のダービーは一次予選を白星突破。二次予選3着ながら惜しくも準決勝行きを逃したが、直近4ケ月の競走得点は113点まで伸ばしてきた。
走る機会が少ないミッドで結果を残しているのは大きなアドバンテージ。シビアな位置取りからの自力戦や、大垣GⅢ決勝でも連係した橋本壮史マークから別線に立ちはだかる。
その橋本壮史(30=茨城)も先行力が魅力の1人。今年に入って復調ムードで優出回数も増えている。前回は無念の失格を喫したが、A級時代に完全優勝している当地でパワフルな走りを見せる。
2班ながら3月の地元GⅢで決勝進出を果たした篠田幸希(26=群馬)は108点を持って武雄バンクに初登場。昨年6月に奈良で行われた大阪・関西万博協賛競輪でGⅢ優勝をした大矢崇弘(34=東京)や、今期A級落ちも9連勝の特別昇級により4場所でS級復帰した木村皆斗(23=茨城)は直前の岸和田FⅠでS級初Vと勢いは見逃せない。
小松崎大地 菅原大也
北日本勢はダービーに出場した小松崎大地(42=福島)と坂本貴史(36=青森)に上位進出の期待が懸かる。小松崎はダービーの3日目に捲りで勝利を飾ったが最終日に落車。状態が心配される。武雄は2年前の記念以来の参戦。これまで当地周年で2度の決勝進出があり、バンク相性は悪くないだろう。
南関勢はやや手薄な布陣。1班は3月のウィナーズカップで2度目のビッグ参戦を果たした石塚孝幸(45=神奈川)と、菅原大也(34=神奈川)の神奈川コンビの2人。菅原は昨年3月の当地GⅢで決勝進出と大暴れだった。今回も注目だ。復調へ必死な渡辺雄太(30=静岡)も軽視はできない。
纐纈洸翔
中部勢を引っ張るのは昨年のヤンググランプリ覇者・纐纈洸翔(こうけつ ひろと、22=愛知)だ。武雄は昨年3月の大阪・関西万博協賛競輪で準決勝進出して以来の参戦。今年はウィナーズカップ準決勝進出後、平塚FⅠの準決勝で落車し、2場所欠場して挑んだ地元ダービーは1走目で無念の落車に終わった。悔しさをぶつける激走に期待したい。
近畿勢は一時期の不振から脱している中西大(34=和歌山)と南潤(27=和歌山)の和歌山コンビが上位進出なるか。
中国勢はダービーの一次予選でGⅠ初勝利を挙げた昼田宗一郎(26=岡山)が再び大物喰いを狙う。1班が不在の四国勢はどこまで存在感を示すことができるか。
渡辺豪大 立部楓真
九州勢は2班にも楽しみな選手がいる。3月の地元小倉FⅠで今年初優勝した渡辺豪大(35=福岡)は前回の福井FⅠでも準Vと好調をキープ。瀬戸晋作(31=長崎)は前回の大垣FⅠでうれしいS級初優勝と勢いを持って参戦する。
地元からは追加出走の立部楓真(26=佐賀)に、4月の記念に続く参戦となる坂田康季(26=佐賀)と橋本宇宙(25=佐賀)もスタンバイ。
立部はA級降格直後は苦しい戦いが続いたが、4月に3場所連続完全優勝。S級復帰初戦が地元のGⅢと願ってもない舞台になった。練習仲間の山田庸平との連係を目指して、まずは一次予選突破なるか。坂田と橋本は地元記念後も悪くない走りを見せている。地元記念以上の奮闘に期待しよう。