松岡孔明を主役に抜てき。松岡は今期ここまで10場所を戦って決勝を逃したのはわずか3場所だけ。3月の小倉と4月防府での連続Vを含め3度の優勝を数える。直前の西武園では大西貴晃の番手を好追して準優勝しており、勢いに陰りは見られない。基本は追い込み型だが、ここぞというときに放つ捲りは強力。今節の九州勢には有力な先行型が手薄なだけに、松岡の機動力が戦況を左右する場面が多く見られそうだ。

 地元・熊本でのレースは今年1月以来となる。初日から2連勝で勝ち上がった決勝では、絶好のタイミングで発進。先行する児玉虎之助を捲り切るのは確実かに思われたが、体の一部が児玉に接触するアクシデントが発生。なんとか持ち直したが勢いを完全に取り戻すことはできず、悔しい準Vに終わった。今回はそのときのリベンジのチャンス。いつも以上に気合が入っているに違いない。

 外傷性くも膜下出血など数々のケガや苦難を乗り越えて、今年1月1日には節目の通算300勝に到達。続く決勝では同郷の谷口力也の番手から鋭く差して301勝目を優勝で飾った。そこからここまで10勝をプラス。来期S級へ勢いをつけるためにも、ここは納得できる結果を残したい。

 その松岡に続くのが佐々木翔一。今期はここまで10場所すべてで決勝に進み、6場所で決勝3着以上という好成績。近況の競走得点では松岡を上回っている。昨年7月にS級からA級に戻ってから一気に安定感が増した印象だ。最近は番手で戦うケースが増えているが、鋭いタテ脚は健在だ。差し脚鋭い中園和剛は2場所連続で決勝進出しており調子が良さそう。経験豊富な上吹越俊一(48=鹿児島)、ここぞというときにはスピードを発揮する天野純平(26=佐賀)、積極果敢で近況好調な下沖功児(41=宮崎)ら九州の自力型選手の走りからも目が離せない。

 中部勢では伊東佑晟の走りに注目だ。昨年12月に特別昇班して現在はA2班のため予選スタートとなるが、2月高知で1、2班戦初優勝しており、直前の岸和田では11秒前半の上がりタイムを連発するなど、強さとスピードは間違いなく優勝候補の一角。今節は竹沢浩司、富永益生らベテラン陣とタッグを組み、高知以来の好結果を目指す。竹沢は今期まだ優勝はないものの、決勝にはコンスタントに進めており、前期S級の存在感を見せている。伊東と連係できる今節は、降級後初Vのチャンスといえる。

 侮れないのは中四国勢。中でも日野博幸は、前節のいわき平では初日から積極的な走りで決勝に進出すると、上がり11秒5の走りで逃げ切って今期初Vを飾った。見事逃げ切り今年初Vを飾った。同じ四国の坂田章はもちろん、近藤範昌、岡崎景介ら中国勢との連係が期待できる。前節Vの勢いそのままに持ち味を発揮できれば、連続Vが見えてくる。

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