2年前の地元記念でS級デビューした後藤。初日1R1番車に抜てきされて逃げ切りを決め鮮烈にアピール。準決勝まで勝ち進んだ。3年連続3度目の地元記念。直前に吉報が届いた。昨年は推薦での出場だったオールスターに、今年はファン投票45位での出場が発表されたのだ。
「縁がないと思っていたのでびっくり。中間発表で自分の名前があっただけで驚いた。やってきた先行がお客さんに伝わっているのかなって思う。先輩からも〝レースを動かしているからいいんじゃないか〟って言ってもらえました」
デビュー当時から積極策にこだわり、S級に上がっても先行基本の自力勝負を貫いてきた。
「デビュー前とか、練習でも先行が弱くて捲りしかできなかったんです。でも捲りだけだとレースで通用しない。構えてドンだと勝ち目が薄くなるし、個人の戦いにもなってしまう。長い距離を踏めた方がいいって思ったんです」
昨年は2度GⅠに出場。ヤンググランプリでは同期の太田海也や中野慎詞らを相手に果敢に風を切った。昨年のファン投票78位から大ジャンプアップ。〝後藤大輝の自力戦〟が確実にファンの心に刺さっている。
「S級に上がる前からこういうスタイルで頑張ってきて、積極的な走りは今しかできない。まだ4年目。負け続けて心が折れてしまう人もいるって聞くけど、中途半端に終わるのは嫌。このスタイルでどこまで通用するのか、納得するまで続けたい」
4月の静岡FⅠでS級初優勝。その後もFⅠ戦で2度決勝進出した。12走で最終バック獲得も10本と積極的な走りを見せている。直前の玉野FⅠは❶①❷。収穫大の3日間だった。
「悪くないと思う。成績もだし、内容的にも出し惜しみせず走れている。玉野は練習で使っていたフレームを久留米に向けて試して、感じが良かった。タイムも悪くなかったです。以前に佐世保で1度だけ使った時は感触が悪かったけど、これで地元記念に行こうかなって考えています」
惜しくもVは逃したが、〝新相棒〟が好感触。いい流れで3度目の地元記念(久留米GⅢは4回目)を迎えられそうだ。
「自分の中ではGⅠと同じ舞台。地元の声援に背中を押してもらえる。緊張より、ワクワクした状態で走れます。プレッシャーはあるけど自分は挑戦者。ガンガンいい走りをしたいです」
久留米記念は2年連続で初日1R1番車に指名されている。
「二度あることは三度あるかもしれない。どこになっても、いつも通り走るだけ。2年連続で準決で負けているので今年は突破したい。まずは準決まで行って、去年の自分を超えたい」
まだ4日制GⅢの決勝進出がない。そろそろ…の期待も高まっている。
「一発目が地元ならうれしい。隙がないレース、自分の走りをして勝ち上がって、決勝でいい走りをしたい。それが今年の地元記念の目標です」
サウナで身体を休めることにはまっている24歳。大一番での4走に注目だ。