浅井康太 エース上昇一途

浅井康太
地元不動のエースがじわじわと状態を上げてきている。浅井は昨年12月、街道練習中にトラックとの接触事故に遭いヒザを負傷。その傷がようやく癒えてきたのが復調の大きな要因である。
「まともに歩くことさえできなかったヒザが、思うように動くようになってきて、(自転車に)乗りたいなと思うことが増えた」
最近では遠征先でも前検入りする前などに時間を作り、街道練習を行うことも多い。完全復活に向けてのいい傾向である。
とくに夏場に入ってからの復調ぶりは顕著だ。8月末の前橋記念では初日特選から3連勝での勝ち上がり(決勝6着)。続く向日町記念(in奈良)でも2場所連続の決勝進出を果たした。
GⅡ共同通信社(富山)では共に勝ち上がった山口拳矢と2人で準決勝に臨んだが、深谷知広の前に6着惜敗。ただ、その深谷とは二次予選でワンツーを決めて3連単22万7450円の超ビッグ配当を提供した。
深谷は郡司浩平を連れての自力戦で1着。浅井は山崎賢人の番手から最後の直線で外を鋭く追い込んで2着に踏ん張った。別線だったとはいえ、中部ツートップとして一時代を築いた両雄のワンツーに、しびれたファンも多いだろう。
ホームバンクは四日市だが、デビューは松阪バンク。記念は62、71周年で優勝している。今大会を終えると中3日でGⅠ寛仁親王牌だ。通算35回目となるGⅢ優勝を飾り、最高のリズムで弥彦入りを果たしたい。
◇浅井 康太(あさい・こうた)1984年(昭59)6月22日生まれ。三重県出身の42歳、90期生。通算1698走551勝80V。GⅠは11年の寛仁親王牌とオールスター、18年の競輪祭で3V。KEIRINグランプリは15、17年の覇者。GⅡは16年サマーナイトフェスティバルを制している。GⅢ優勝は34回。1㍍80、75㌔。血液型O。
郡司浩平 GP王者の誇り

郡司浩平
昨年のグランプリ王者に黄色信号だ。純白のチャンピオンユニフォームをまとい、南関勢躍進の舞台骨になると誓った26年だったが、特別競輪での決勝進出は2回。うち完走は2月の全日本選抜(5着)しかない。
地元開催だった5月の日本選手権では準決勝で落車。さらに6月の高松宮記念は決勝で落車棄権となった。8月の小田原記念Vで流れを取り戻したかに思えたが、8月のオールスターでは初戦で失格に散るなど、リズムを戻せていない。
26日現在の賞金ランキングは第10位だ。昨年同様、ボーダーは1億円を超えそうな勢いなので、賞金枠でのグランプリ出場は非現実的になる。今年は女房役の深谷知広が好調。
目標とするグランプリへの同乗へは郡司の踏ん張りがカギとなる。おそらくは寛仁親王牌、競輪祭での優勝勝負。そのためには心技体だけではなく、リズム面の修正も必要とである。
過去に連覇(73、74周年)の実績がある松阪記念は、軌道修正にはうってつけの大会と言えるだろう。持ち前のリーダーシップで南関勢をしっかりとまとめて、まずは決勝大量エントリーを目指す。
◇郡司 浩平(ぐんじ・こうへい)1990年(平2)9月4日生まれ。神奈川県出身の36歳、99期生。昨年のグランプリ王者。ほかGⅠは3回、GⅡは2回、GⅢは28回の優勝実績を誇る。師匠は実父の郡司盛夫(50期※引退)。1㍍67、80㌔。血液型A。
新山響平 大会連覇へGO

新山響平
今大会のディフェンディングチャンピオン。昨年10月に行われた75周年記念で、新山は北日本4車ラインの番手回りだった。先頭を志願した酒井雄多が正攻法。郡司浩平の鋭い仕掛けに叩かれそうになりながらも、意地で突っ張り切ってみせた。
新山はその男気に結果で応えるべく、1センターから番手捲りを敢行。24年11月の四日市記念以降、止まっていたV時計の灯を約1年ぶりにともした。
25年はその優勝1回のみに終わったが、今年は3月の豊橋、6月の久留米で記念を2回制している。豊橋記念の前後にはFⅠ3連続Vもあった。26日現在の賞金ランキングはボーダーの第9位。
残る2つのGⅠで10位以下からの優勝者が出る可能性もあり、全く安心できる位置ではない。むしろ自身がタイトルを狙いに行くぐらいの気持ちでちょうどいいだろう。
大会連覇に成功すれば、10位の郡司との差を広げられる同時に、GⅠラスト2に向けてもかなり勢いが付く。新山にとって、中部地区の記念は相性抜群。今回も積極的なレースでシリーズを盛り上げてほしい。
◇新山 響平(しんざん・きょうへい)1993年(平5)11月2日生まれ。青森県出身の32歳、107期生。22年11月の競輪祭でGⅠ初制覇。GⅢ優勝は8回。師匠は坂本勉(57期※引退)。98期の新山将史は実兄。1㍍72、76㌔。血液型A。
阿部拓真 ここで軌道修正

阿部拓真
昨年の競輪祭がターニングポイントだった。阿部はGⅠ初優参→初優勝の偉業。一気にスターダムに駆け上った。開催時の当期競走得点は106点台。
決勝メンバーは古性優作を筆頭に、阿部以外は全て110点オーバーの強豪ぞろいで圧倒的に弱い立場だった。それでも吉田拓矢マークから最終2センターで荒井崇博の後ろに俊敏に切り替え、直線で伸び勝ってみせた。史上最大のジャイアントキリングは3連単33万990円。最低人気の504番人気だった。
最後の最後で手にしたグランプリのキップ。まだGⅢ優勝もない阿部にとっては全く未知の世界だった。しかし、ここでも阿部は存在感を示す。
初出場で右も左も分からない阿部を「一緒に行く?」と公開練習に誘ってくれた郡司浩平との縁を生かして、本番でも連係する流れ。郡司のV捲りに食らいついての準優勝。これにより25年の獲得賞金は1億円を突破した。
今年はビッグフル参戦。ただ思ったような戦果をあげることができていない。直前の共同杯でも二次予選で失格(押し上げ、落車棄権)。今大会でしっかりと流れを変えたい。
◇阿部 拓真(あべ・たくま)1990年(平2)11月3日生まれ。宮城県出身の35歳。107期生。17年11月の防府でS級初V。昨年11月の競輪祭(小倉)でGⅠを初制覇。同年のグランプリは準優勝。師匠は荻原尚人(89期)。1㍍73、72㌔。血液型A。


