嘉永泰斗 地元被災地に勇気を届ける

S級S班として初めて地元記念に臨む嘉永
昨年の寛仁親王牌でGⅠ初優出初優勝。グランプリでも単騎戦ながら存在感を示した嘉永泰斗。
九州唯一のS級S班として迎えた26年、初戦の立川記念はオール3連対で決勝3着と順調に滑り出したが、2戦目のいわき平記念初日に落車。
大目標だった2月の地元GⅠ全日本選抜競輪も準決勝で失格と不本意な結果に終わってしまった。
2年ぶりの地元記念を前に、地元エースの胸中に迫った。
地元被災地に勇気を届ける
熊本エースが力走誓う
――S級S班として戦っている26年、ここまでを振り返ってください。
「前半戦は割と自分の中では良かったんですけど、7月に腰を痛めてから調子がなかなか戻らず…。の感じですね」
――GⅠ高松宮記念杯は序盤から良くて、あと少しで決勝進出でした。
「自分の中では宮杯が今年一番仕上がっていましたね」
――腰を痛めたのは小松島記念の前後?
「小松島記念後ですね。サマーナイトくらいから腰痛が出て、そこから何かかみ合っていない感じです」
――腰を痛めた理由は?
「慢性的なのと、この1年くらい、スピードを測りながらウエートをやっているんですけど、フォームが崩れやすいスピードを意識してしまって…」
――スピードを求め過ぎた?
「そうですね、早く上げようと意識し過ぎて負荷がかかってしまったかも。ちゃんとしたフォームでやらないとケガのリスクが…。脇本(雄太)さんにも『まずケガしないようにやるのが』って言われました。岐阜記念が終わって一旦、それをやめてみて、それでも親王牌の感覚は悪くなかった。腰のことを考えたらそれでもいいのかな、って」
――今年は2度の落車もありました。
「落車で打撲した部分も最近になって気になったりしてきて…。落車直後はそこまでではなかったけど、どこかが良くなったら気になってきて…。デカい着を獲り過ぎてしまったし、なかなか乗り切れない感じでしたね」
――直前は、連覇を狙ったGⅠ寛仁親王牌でした。手応えの方は?
「親王牌は底は脱したかなという感じ。ここ最近が悪過ぎたので」
――腰の負担を減らした以外に、良化した原因は何でしょう?
「自転車をずっと触りながらやっている感じで、いい方に来ていると思う」
――次は地元記念です。
「自転車はこの感じをベースに、あとはしっかり練習して臨みたい。親王牌で脚力が落ちているのを感じたので。そこまで間隔が空いているわけではないのでやれることをやって、ですね」
――2月には地元バンクでGⅠを走りました。
「全日本選抜は結構いい状態で入れたけど、準決勝で失格して不完全燃焼に終わってしまいました」
――その分も地元記念こそは、ですね。
「はい」
――2年前に熊本で初めて地元記念を走りました。雰囲気などはいかがでしたか?
「やっぱりいいですね、地元は。何かちょっと違います。気持ちが入ります」
――今回が2年ぶりの地元記念になります。
「呼ばれたメンバーで盛り上げていきたい。もちろん優勝したい。負けたくないですし。でも現状が現状なので、まずはやれることをやって、あとは気持ちで何とかやれたらなと思います。出し惜しみするのが一番ダメなので、力を出し切りたい」
10年前に続き、熊本県は大地震に見舞われた。復興事業と銘打たれた地元記念で、地元のエースがこん身の走りを見せる。
◇嘉永 泰斗(かなが・たいと)1998年(平10)3月23日生まれ、熊本県玉名市出身の28歳。九州学院高卒。2018年7月、113期生としてプロデビュー。通算成績は596戦221勝で31V。主な優勝は第34回寛仁親王牌(25年)。1㍍75、80㌔。血液型O。


