中部地区の絶対エース・浅井康太が松阪記念連覇へ目を光らせている。今年はFⅠ戦で3V。GⅢは5度の参戦で3度の決勝進出、GⅡでも優出を果たしている。つねに高次元の実力を発揮している。GⅠ高松宮記念杯の後はケガもあって、順調ではなかったが、復帰戦のGⅠオールスターでは準決に進出。その後も小田原記念で優出、小倉FⅠでは優勝と着実に調子を取り戻していた。

 特に小倉の決勝では前々に踏んで井上昌己をさばいて、伊藤颯馬の番手を奪うとゴール前で鋭く伸びてVをつかんだ。的確な判断と最高峰のタテヨコの動きが光っていた。続く共同通信社杯では準決で落車のアクシデント。事故の影響が懸念されるところだが、レース間隔が空いて準備期間はしっかり取れている。ここに向けて体のケアをして、脚を仕上げてくるはず。

 現在の賞金ランキングは19位(3日現在)。是が非でも地元の冠は譲れないところ。GⅠ3Vにグランプリ2Vを達成した勝負強さは今メンバー中でも屈指の存在だ。ペダリングや技術面と向き合い、試行錯誤を重ねながら常に進化を遂げているスーパースター。今回の中部勢は橋本優や皿屋など精鋭がそろい、中核となって別線を迎え撃つ。S班復帰の足がかりとして、松阪記念の連覇を飾って年末の大一番に向けて勢いを加速させていく。


 ◇浅井 康太(あさい・こうた)1984(昭59)年6月22日生まれ。三重県出身の38歳。90期。GⅠ優勝3回(11年寛仁親王牌、11年オールスター、18年競輪祭)。15、17年のKEIRINグランプリ覇者。松阪記念は62周年(12年)、71周年(21年)で優勝している。1㍍80、75㌔。