函館ナイター競輪FⅠ「スポーツニッポン杯争奪戦」は、9月13日から15日まで3日間にわたって開催される。
主役は地元の大森慶一だ。出場予定だった5月記念の中止で函館登場は昨年9月FⅠ(決勝2着)以来1年ぶり。記念を走れなかった分も、地元では初となるS級Vへ必勝の決意で臨む。パワーは8月函館GⅢを制した鈴木庸之が上位。自在の田中晴基や機動力ある金子哲大も好勝負。
A級は9月前走の川崎でVの原田泰志を本命視したが激戦模様だ。
★S級見どころ★
大森 慶一
「全力で頑張ります。応援してください」
大森慶一が無念の思いを今シリーズにぶつける。
今年初の地元参戦となるはずだった5月開設記念・五稜郭杯が新型コロナウイルスの影響で中止に。「斡旋が決まってから、そこに向けてトレーニングした。開催1週間前に中止の知らせが届き、しようがないという気持ちと、走りたかったという残念な気持ちの両方だった」。
照準を合わせていた大事な目標が消えてしまったショックは大きかったはず。その分も今シリーズへの意気込みは強い。
自粛期間で走れなかった4、5月の後、久々の実戦だった6月は「思っていた以上にレース勘がなく、レースの流れにも乗れず調子は良くなかった」と感触をつかめなかったが「7月に入ってからは少しずつ調子が良くなってきた」と上昇気配。
前走8月福井FⅠ(❸①❷)ではラインの番手、3番手を回って3日間とも確定板入り。今年最初で最後となる地元戦を前に、状態面に不安はなさそうだ。「自分の持ち味を思う存分発揮できるよう全力で頑張ります。応援してください」。地元でファンの期待に応えるためにも、強い気持ちで結果を求める。
鈴木 庸之
人気を集めそうなのは近況充実している鈴木庸之だ。
新型コロナウイルスによる自粛期間に練習を積んだことも成果として表れ、約3カ月ぶりの実戦だった6月青森GⅢで決勝2着。その後も好成績を維持し、8月当地GⅢでは今年初となるVを決めた。自力基本に状況次第で何でもこなせることが大きな強み。
8月GⅢでは関東同士で先行パワーのある山岸佳太と連係。逃げた山岸の番手回りから直線で抜け出してチャンスをものにした。ここも関東連係で機動力ある金子哲大の番手回りとなるか。それがかなわなかった場合でも、自ら動いてV獲りへ。スピードを生かしたカマシか捲りで強さを見せる。
田中 晴基
田中晴基は函館を走るのが約2年ぶり。18年6月記念では3日目に落車して途中欠場。ただ、その前はFⅠで2場所決勝2着。印象は悪くないか。主力に南関の目標はなく、動く組み立てとなるか。自力も含めた自在戦でV争い。攻めの走りで存在感を示す。
金子は3場所前の8月青森FⅠでV。前走京王閣FⅠでも決勝進出こそ逃したが3日間とも確定板入りした動きは悪くなかった。先行基本の果敢な走りで浮上も。
嵯峨 昇喜郎
大森と北日本での連係が考えられるのが嵯峨昇喜郎。ハイパワーを備えるが、落車続きで、なかなかリズムに乗れない。2回目のGⅠ出場だった前走名古屋オールスターでも3走目に落車。状態面に不安は残るが、ここは地元大森の前で気合の走り。役割を果たすべく、積極的な仕掛けに徹する。
杉山悠也は8月に青森、立川とFⅠで連続決勝進出。青森では2着に食い込むなど調子が上向いている。嵯峨、大森と北日本での連係から上位食い込みを狙う。
古川 尚耶
古川尚耶も鋭い差し脚で成績がアップ。前走弥彦FⅠでは初日予選で鈴木と同期連係。打鐘からカマして逃げた鈴木を懸命に追いかけるとゴール前で差し切って1着を獲った。ここも鈴木の後ろ回りとなるか。展開次第で侮れない。