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【記者コラム】ルール改正でレース形態が変わる

 5月31日を節の初日とする競輪から競技規則が改正された。主なルール改正は先頭員の早期追い抜きの失格ゾーンの拡大。(500は打鐘、400は赤板、333は残り2周半)までに先頭員を追い抜くと失格となる。また、打鐘前よりスパートした選手が、1着選手より5秒以上離れてゴールした場合は失格。暴走行為を防止するとのことだが、今までのような捨て身で飛ばしての二段駆けはできなくなりそうだ。

 

 ルール改正から日が浅いが、レースを走った選手が口にするのは「誘導が速い。(400バンクでは)赤板前から急にピッチが上がります。後ろからの抑え先行はきつい。前を取った方が有利ですね」と自力型の選手の感想だ。ある選手は「誘導が急激に待避するので…。レースの流れを選手が作れていないですね」と話した。

 

 ルール改正によって自力型だけなく、マーク選手の走りにも影響が出る。先行の番手の選手は2車身以上、車間を空けて後続をけん制してはいけない。すなわち「番手の仕事」が制約される。マークの職人にとっても厳しくなった。

 

 改正前に先月(28日~30日)の高知FⅠ戦で加倉正義(48=福岡・68期)と取材で話す機会があった。その加倉は4月10日の小倉FⅠ戦の初日予選で勝利し、史上31人目の500勝を達成した貫禄者。

 

 「デビューした当時は500勝は考えもしなかった。450勝を過ぎてから意識しました。他県の選手からも『おめでとう』と言われてすごくうれしかった」

 

 そんな名マーカーだが、「自分は踏み出しが悪いので車間を空けて詰める勢いで踏むタイプなんで…。どうなるかな」と戸惑いを隠せない様子だった。

 

 ルールの中で走るのがプロだが、競輪独特の醍醐味(だいごみ)が無くなってしまわないだろうか?今後のレースの流れに注目したい。(下野 章雄)