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【記者コラム】一石投じた伊東競輪開催

 4月29日~5月1日に行われた伊東競輪を取材した。直前に同じ静岡県の静岡競輪場で開催される予定だった日本選手権(ダービー)の中止が発表されたばかりとあって「本当に開催されるのか?」と危惧していたが、従来通りに無観客ではあったが、普通に開催は行われた。久々のレースとあってどの選手もうれしそう。本来はダービーに出ているはずだった木暮安由(群馬)は「まさか追加が入るとは思わず、前日までガチで練習していたのでその疲れがどうか」と話していたが、1、1着で決勝に進み、決勝でも3着とさすがの走りを見せてくれた。
 
 初日、2日目は4億を超える売り上げで、最終的な売り上げは14億8000万円と大盛況だった。4月は開催中止の連続でこれが初めてのレースという選手が何人もいた。あわや月収ゼロになるところでの〝救い〟の開催。参加した全選手や関係者から自然発生的に新型コロナウイルス対策として寄付をしようと話が湧き起こったのもよく分かる気がした。
 
 ゴールデンウイーク中とあっていつもは観光客で大にぎわいのはずの駅前通りは閑散としていた。営業している飲食店はほんのわずか。濃厚接触を避けるため、いつもは一部屋に数人が入っている選手宿舎だが、今回は付近の宿泊施設を借り上げて1人1室の厳戒態勢が取られた。競輪を開催したことで少しでも地元の経済活動に寄与できたのではないか。競馬、ボートレースは普通に開催しているのになぜ競輪だけは、という思いはある。自粛が当たり前になっている中で一石を投じる開催になったように強く感じた。
 
 ♤狩谷 牧生(かりや・まきお)1964年(昭39)4月11日生まれ、神奈川県出身の56歳。88年4月スポニチ入社。92年1月にレース部へ異動。1年間の競輪取材の後、中央競馬担当に。2013年、21年ぶりに競輪の現場に復帰。ミッドナイト競輪では初めて会う西日本の選手を取材して新鮮な刺激を受けている。