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【記者コラム】強烈捲りの持ち味の山口 中部地区の救世主に

 京王閣ダービー。6日間の激闘を終えた浅井康太は「上位の選手との戦いの中で自分に足りない部分などをつかむことができた。大きな収穫のあった大会になった」と満足そうに振り返った。単騎で戦った決勝は4着。ラインがあれば、また違った戦いができたはずだ。
 
 その浅井のダービー後、初戦となったのが平塚FⅠ(17~19日)。そこに斡旋されたのが山口拳矢(25=岐阜・117期、写真)。中部地区に久しぶりに現れた若手の自力型だ。山口は「初めてのGⅠ出場(6月17~20日、岸和田・高松宮記念)が決まったし、これまでのように目先の勝利にこだわらず内容も重視」と話した。抜群のダッシュ力を生かした強烈な捲りが持ち味。警戒されることもあり後方に構えるレースが多かったが、今回に関しては「長い距離を踏めるようにしたい。初日、2日目を足して今のバック数(最終バックを先頭で通過した回数)は7回。捲り一辺倒では相手も戦いやすい。あと4、5回はバックを増やして堂々とGⅠに乗り込みたい」。目的意識は明確だった。
 
 山口、浅井とも決勝へ。最後は2人の勝負となり、山口が見事、浅井を振り切って優勝した。「浅井さんとは松阪・ウィナーズCで2度連係(準決は山口5着、浅井6着。特選は浅井2着、山口4着)。浅井さんの地元だったのに2走とも決められなかった。その分まで…」。今節、掲げた目標をしっかり達成した山口。山口を差せなかった浅井だが、ついに現れた中部の救世主を頼もしく感じたことだろう。山口、浅井のさらなる活躍に注目したい。
 
 ◇狩谷 牧生(かりや・まきお)1964年(昭39)4月11日生まれ、神奈川県出身の56歳。88年4月スポニチ入社。92年1月にレース部へ異動。1年間の競輪取材の後、中央競馬担当に。2013年、21年ぶりに競輪の現場に復帰。取材する機会の多いミッドナイト競輪は競走得点順に。「何番車ですか?」と聞かれることもなくなった。