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【記者コラム】競輪人生悔いなし平田哲也引退

↑引退のシリーズで同時斡旋となった平田(右)と倉岡

 

 「やりきったと思うよ」そう語ったのは、33年7カ月の現役生活に別れを告げた平田哲也(54・兵庫=59期)だ。ラストランとなったのが7日に幕を閉じた和歌山競輪FⅡ戦だった。開催前には同期の丸山繁一さん(13年に引退)らと一緒に明石のバンクでトレーニング。万全の態勢で臨んだ。最終戦は同期で親友でもある倉岡慎太郎と一緒の配分とあって、特に感慨深いモノがあったという。
 
 「自分は自転車経験がなかったけど、倉岡は59期の№・1でアマ時代からのエリート。プロに入って初めて10秒台を出した選手を見たのが倉岡です。他にも同期の強い仲間がいたから長く続けられたと思う」
 
 その倉岡は平田の引退について、「いつかはこうなる時が来ると。前検日の前日には一緒に食事をしました。同じ配分になったのも何かの縁。最後まで見届けます」と寂しげな表情を浮かべていた。
 
 引退レースは7、7、7着の結果に終わったが、ラストランの最終日の2Rでは大いに見せ場をつくった。正攻法から流し気味に駆ける徳吉正治を、最後方の平田が打鐘4角からカマシ。バックでも後続を離して飛ばしたが、最後はのみ込まれた。それでも、若手さながらの逃げで場内を沸かせた。レース後は敢闘門付近で家族や選手仲間をはじめ、多くの関係者に拍手で迎えられていた。
 
 「ひょっとしたら逃げ切れるんちゃうかなあと(笑い)。でもやりきりました。まだ何も決まってないけど第二の人生を頑張ります」 家族にも選手仲間にも愛された平田。第二の人生に〝エール〟を送りたい。(下野 章雄