ニューヒーロー誕生だ。久留米競輪で熱戦が繰り広げられていたGⅢ熊本競輪開設71周年記念「火の国杯争奪戦」は10日、12Rで決勝戦が争われ、北津留の先行に乗った嘉永泰斗(23=熊本)が番手捲りでGⅢ初優出初V。2着が瓜生で地元熊本ワンツーが決まった。
熊本記念㏌久留米決勝 地元の嘉永泰斗(23=熊本・113期)が番手捲りで優勝。嘉永はこれが記念初V、通算100勝を決めた。
嘉永がスタートを決めて北津留―嘉永―瓜生―平原―諸橋―磯田―松浦―佐藤―谷口で周回。赤板で松浦―佐藤が上昇するも北津留が突っ張る。松浦は3番手に降り、平原は6番手に車を下げる。打鐘から北津留が全開で踏み上げる。最終2角から松浦が仕掛けると嘉永が合わせて番手捲り。瓜生も援護し、嘉永が押し切る。2着には瓜生が流れ込み、3着には外伸びた平原。松浦と佐藤は接触し落車滑入となった。
熊本にニュースターが誕生した。松浦、平原、佐藤と猛者がそろった一戦。それでも23歳のイケメンは気後れなく先輩の番手から出てチャンスをものにした。「ラインのおかげ。ゴールした瞬間は信じられなかった」と劇的Vを振り返る。久留米開催とはいえ、地元の熊本記念。プレッシャーもあったがスター候補生のオーラではねのけた。今後は「九州の先輩を連れて、ばんばん逃げたい」と頼もしい。24年度に再開予定の熊本競輪。地元にスターが誕生し、ますます待ち遠しくなった。
◇嘉永 泰斗(かなが・たいと)1998年(平10)3月23日生まれ、熊本県出身の23歳。113期生として18年7月に武雄でデビュー。これが通算17回目の優勝で、GⅢは初優出で初V。1㍍75、80㌔、血液型O。
◆次走 1着の嘉永泰斗は別府FⅠ(18~20日)、2着の瓜生崇智は高松FⅠ(18~20日)、3着の平原康多は弥彦GⅠ寛仁親王牌(21~24日)。