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【平塚GⅠ決勝】拳矢 親子GⅠ制覇

 拳矢がGⅠ初決勝初優勝――。GⅠ「第77回日本選手権競輪」の決勝戦が7日、平塚競輪場で行われ、単騎戦の山口拳矢(27=岐阜・117期)が2センター3番手から追い込んで優勝。賞金8600万円を獲得し、ダービー王の称号を手にした。この優勝で自身初となるグランプリ(12月30日、立川競輪場)の出走権を獲得。獲得賞金額は1億円を突破し賞金ランクトップへ躍り出た。

 雨が降りしきる湘南バンクでクールなニューヒーローが誕生した。「信じられない気持ちの方が大きい」。デビューから2年11カ月でつかんだ初のGⅠファイナル。一気に頂点まで駆け上がった山口拳は「自分がGⅠを優勝した衝撃が強すぎて、まだ感動が追いついていない」と表情を緩めることなく余韻に浸った。
 天性の勝負運を持っていた。「あの並びで犬伏君が先行すると思った」と4番手を確保。最強レーサー脇本は8番手に置かれ、雨で車が進まない。天候さえも味方につけた山口拳は「前しか見てなかった」と集中力を極限まで高めて勝負どころを待った。「2コーナーで行こうと思ったら(清水)裕友さんが(犬伏の番手から)出て行ったのが見えた。あとはかぶる前にと思った」。2センターから車を外に持ち出すと内から来た佐藤慎のブロックに遭い「スリップしてどうかなと思ったが、距離も短かったので最後まで踏み切ろうと」。一心不乱にペダルを踏み込み番手捲りの清水を⅛輪差し切った。
 表彰式は親子愛で包まれた。インタビュアーは父で元選手の山口幸二氏(62期引退)。親子2代でのGⅠ制覇は稲村雅士、稲村成浩以来、22年ぶり3組目の快挙だ。ダービー王の称号を手にした思いを聞かれた山口拳は「持っていますね」とはにかんだ。父が11年にグランプリを制した平塚で手に入れたGⅠ最高峰のタイトル。山口拳は「まだまだグランプリもありますし、父に追いつけるように頑張ります」と力強く決意表明。表彰式のラストは山口拳と幸二氏が熱く抱き合い、万雷の拍手が鳴り止まなかった。

 

 ◇山口 拳矢(やまぐち・けんや)1996年(平8)1月26日生まれ、岐阜県大垣市出身の27歳。私立大垣日大高卒。20年5月プロデビュー。通算成績は231戦117勝。主な優勝は第37回共同通信社杯(21年)、第77回日本選手権競輪(23年)。1㍍66、70㌔。血液型A。父は山口幸二(62期=引退)。

 

 ◆次走 優勝した山口と2着清水は玉野FⅠ(18~20日)、3着佐藤は宇都宮記念(18~21日)。

 

 ◆売り上げ 今シリーズ6日間の売り上げは142億6391万600円で、目標額の155億円には届かなかった。

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