立川競輪の開設70周年記念「鳳凰賞典レース(GⅢ)」は7日に決勝戦が行われ、新SS班の吉田拓矢(26=茨城・107期)が強烈な差し脚で昨年6月の久留米以来となる通算3度目の記念Vを決めた。
木村―新田―菊地―吉田―稲村―浅井―桐山―清水―久米で周回。残り2周で清水―久米が木村を抑えに行くが、木村は突っ張って前に出させない。出切れなかった清水は態勢を立て直して新田の横へ、木村の番手で両者の並走が続く。6番手は吉田、8番手は浅井。バックで新田が清水を大きく外に振った瞬間、浅井が捲って出る。浅井の動きに俊敏に反応した新田は木村の番手から出て浅井がその後ろに続く。粘る新田、かわしにかかる浅井。ゴール前は完全に両者の一騎打ちに見えたが、大外を鋭く伸びた吉田が1着でゴールを駆け抜けた。
吉田は強い思いで決勝に臨んでいた。「2日目に平原さんが落車して欠場に…。地元地区の記念、優勝は譲れないと思っていた」。総大将が不在となった中で新SS班の吉田が関東の代表としての責務を全うした。「道中は厳しいかと思っていたけど最後に新田さんと浅井さんが接触したこともあり、何とか届いた。ツキもあった」。この後はすぐに大宮記念。グランプリで連係した宿口、平原の関東SS班がそろい踏みとなる。「1年間しっかり頑張って、またグランプリの舞台に立ちたい」。吉田は力強く締めくくった。
◇吉田 拓矢(よしだ・たくや)1995年(平7)5月7日生まれ、茨城県つくば市出身の26歳。県立取手一高卒。通算成績は520戦168勝。主な優勝はGⅠ第63回競輪祭(21年)。1㍍71、73㌔。血液型O。
1着吉田はGⅢ大宮記念(15~18日)、2着浅井は大垣FⅠ(13~15日)、3着の新田は伊東FI(2月9~11日)。