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【記者コラム】「ウイルス共存」が新時代の観戦様式

 日進月歩で研究が進んでいるとはいえ、新型コロナウイルスはまだまだ未知の存在。緊急事態宣言は全面解除されたが、季節性インフルエンザのように完全に消滅することもないだろう。今後の私たちの生活は、新型ウイルスとの共存が大前提となってきそうだ。
 
 今月22日、ボートレース大村が全国の公営レース場に先駆けてファン入場を再開した。長崎県在住のファン限定ではあるが、業界的には非常に大きな一歩である。もちろん検温、マスク着用、アルコール消毒やソーシャルディスタンスの確保など条件は多数。これがウイルス共存時代の新しい観戦様式なのである。
 
 競輪界でも開催自粛の波はようやく収まった。7月からはGⅢ以下で、ブロック斡旋による7車立て9レース制の開催が始まる。参加選手を半減させ、感染リスクを下げるのが目的だ。現状は9月末までの限定措置だが、状況次第では延長されることもあるだろう。
 
 ただしファン入場の再開はまだ少し先。関係者によると6月中の再開は難しいとのこと。ガイドラインを見ながら慎重に入場再開のタイミングを計っている。
 
 気になる話も耳にした。〝選手による開催現場、検車場等での撮影禁止要請〟である。開催中の公営選手は八百長行為防止のため外部との連絡は完全に遮断されている。ならば通信機器を持たない機器で撮影した映像を、開催後にSNSなどにアップすることが果たして不正行為となるのか?
 
 「誤解を招く」は運営側の声であり、公営レース界にとっては正論。ただ舞台裏を知ることで「競輪を知った」や「競輪を好きになった」という声も少なくない。近年の競輪界はスポーツ化によるイメージアップで、新規ファンの獲得を目指してきたはずだ。新型ウイルスとの共存ができるのなら、新時代の情報ツールとの共存もたやすいのでは?選手たちも業界の発展を思ってやってきたことだ。検閲付きでもいい。再検討してもらいたい案件である。(岡田光広)

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