今年最後のGⅠ競輪祭が18日から小倉で開催される。グランプリ出場へ向けてラスト1席がかかる大一番だが、直前に思わぬニュースが飛び込んできた。脇本雄太が体調不良により欠場となったのだ。脇本がいるかいないかでレースの流れは大きく変わる。まだ権利のない新田祐大を筆頭に獲得賞金で届かない選手にもチャンス十分なだけに、激しいバトルは必至だ。
GⅠ開催前後のFⅠ戦は、S級トップクラスが不在なのでメンバーは小粒になる。それでも選手の実力は接近するので、車券の狙いは面白さを増す。ふだんはVの可能性が少ない選手でも、ここぞとばかりに気合を入れてくる。15日からの富山FⅠ戦でも、競走得点が110点を超えるトップ選手は不在だが、予選から熱戦が繰り広げられた。
前検日から注目したのは中田健太(31=埼玉、写真)。近況成績をまとめ、S級の特選選手に迫る競走得点106点台にアップさせていた。好調の理由を聞くと「地元で開催されるオールスター(来年8月9~14日、西武園)に出場したいので、得点を上げるためにも気持ちが入っています」と話す。独特の乗車フォームで、ヨコの動きに直線では中割りと、どこか昭和の競輪選手を感じさせる。ダッシュ自慢の同じタイプの選手が多い中で個性は光っている。初日のマーク2着に「番手が一番苦しい。いまどき、そんな選手はいないでしょう」と苦笑い。準決勝では直線で中を割っての2着と持ち味全開で決勝に進出した。「以前なら3着にもならなかったし、力のベースは上がっていると思います」と動きに手応えをつかんでいる。FⅠ戦はもちろん、ステージを上げてグレードレースでの活躍が期待される。(緒方 泰士)