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【記者コラム】清水GⅠ初Vで輝き増す

 2020年初のGⅠ、全日本選抜(豊橋)を制したのは清水裕友=写真=だった。昨年は初のS級S班を経験して、GⅠで4度の優出を果たすなど躍動の1年に。地道に積み重ねてきた練習のたまもので、着実にパワーアップを遂げた。その結果トップクラスとも渡り合い、むしろ圧倒する場面も目立つほどに。名実ともにS班の名に恥じない活躍をみせ一気にその名は全国区となった。とくに印象的だったのは通算6度目のGⅠ優出で迎えた昨年11月の競輪祭(小倉)。待望のGⅠ初戴冠が期待される中で、吉田拓矢の後位に飛び付き平原康多を軽々とさばく。関東勢を分断すると、すかさずまくり出た。結果的には絶妙な援護をした松浦悠士に直線でかわされたが、大一番での思い切った競走と、中国勢の美しい連係が光った。
 
 今年初戦は1月立川記念で勝負強さを発揮して優勝。全日本選抜でも清水、松浦ともに優出。決勝では松浦、清水の並びとなり、競輪祭とは逆の布陣に。競輪祭のお返しとばかりに、松浦が果敢に先行。その気持ちに応えて清水が番手まくりを敢行して悲願のGⅠ初制覇を遂げた。
 
 「中国地区で2節続けてGⅠを獲れたのはすごくいいこと。これからも松浦さんや、他の人とも連係を決めていきたい」。エースの初戴冠によって、近年続いている中四国勢の勢いはさらに強固なものになった。タイトルホルダーになり結果も残し、選手としても厚みを増すばかり。トップクラスの脚力、思い切りのいい攻めに競輪界屈指の勝負強さにも磨きがかかっている。今後も競輪界の中心的存在となり、新時代の旗手として歴史をつくっていく。(栗林幸太郎

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