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【記者コラム】西田雅志11年ぶりGⅠへ勝負駆け

 オールドファンならご存じだろうが、かつてこの時期になるとダービートライアルが行われていた。3日間開催で最終日はレース格に準じた着順のポイントを与えられていた。これを2場所走り、合計ポイント上位者がGⅠ日本選手権(ダービー)に出場できたのだ。

 1997年に廃止されたのだが、今もダービーに向けての勝負がある。5月2~7日に行われるGⅠ平塚ダービーの選考期間は今月まで。昨年2月から今年1月までの賞金上位者が選出される。ボーダー近辺にいる選手は気の抜けない戦いが続いている。

 西田雅志(44=広島、写真)は15日現在でダービーの選考順位が157位。162人が出場できるので、12年3月以来となるGⅠが手の届くところまできている。「月末まで勝負。1円でも稼がないと」。昨年は2月奈良記念で決勝進出(5着)。その後もコツコツと賞金を積み上げてきた。「2年前が83走だったけど昨年は110走したので、本数で稼いだ」。コロナ対策で補充がない中でも、元気に走り続けた。昨年は20勝を挙げてベテランになっても成績が上昇している。「2年前は9勝だったし、勝ちきれる時に勝てた。昨年の1~6月はS級1班を意識して、今期は10年ぶりの1班になれた」。

 現在は広島FⅠに出走中。残念ながら決勝には進めなかったが、今日(17日)の最終日は白星で締めくくってもらいたい。次走の別府FⅠ(23~25日)がダービー選考期間の最終戦となる。「一人ダービートライアルですね(笑い)。後は自分の気持ち次第」。諦めない走りで11年ぶりのGⅠ出場をかなえてもらいたい。(亀田 克也)

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