
緒方詩央里
小兵の活躍は盛り上がりに一役買う要素だろう。たとえば13日に秋場所が初日を迎えた大相撲には「技のデパート」と呼ばれた舞の海がいた。身長1㍍71、体重は100㌔未満。それでも機敏な動きから三所攻めや切り返し、猫だましなど多彩な技を繰り出して横綱や大型力士に立ち向かい、ファンを魅了した。
競輪ではガールズのルーキー、緒方詩央里(27=福岡、130期、写真)が1㍍47と小柄でも奮闘している。東京富士大卒業後は4年間、介護福祉士として働いた。選手募集の公告「未経験でも挑戦できる」を見て一念発起し、この世界に飛びこんだ。小5から大学まで12年間、卓球に励み、正智深谷高時代には団体戦で全国ベスト8に貢献した。
心のどこかに「スポーツ選手になりたい」との思いを抱えていた。体格基準はなく、大柄な選手とも競う。「実際に自転車に乗るまでは〝体格は関係ない〟と思っていました」。上背は無理でも、今後はウエートトレーニングを採り入れ、体を大きくすることを検討する。
競技は異なっても強豪校で、もまれた経験があるだけに「気持ちを強く持つこと、努力することを学べたと思います」。その言葉は果敢に先制するレースぶりにも表れる。デビューから9場所(単発のルーキーシリーズプラスを含む)で1着こそないものの、全て決勝に進んだ。「まず自分のレースをすること。勝ちきれないのは力が足りないから」。
〝負け戦〟へ回らないため常に強敵に挑む。前回大垣の初日は加藤舞(29=沖縄)の捲りに屈したとはいえ、打鐘カマシで後続を引き離し最終2角付近は初勝利の可能性を感じさせた。「最後にタレているのは課題です。最後の踏み直し、トップスピードも上げて、ひと回り大きくなりたい」。挑戦は始まったばかりだ。


