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【記者コラム】五輪銅・十文字の帰国初戦に沸いた96年全日本選抜

 2月8日から今年初のGⅠ「第34回全日本選抜」が別府競輪場で行われる。別府では初めてのGⅠ開催。

 

 全日本選抜は85年8月に前橋で第1回を開催。00年8月の名古屋までは〝真夏の祭典〟として定着していた。その後は開催時期が何度か動いたが、13年の松山から2月に実施され〝真冬のGⅠ〟で定着した。

 

 2月GⅠでグランプリ出場権利が獲得できるとあり、優勝した選手の地区がその年を多少有利に戦える傾向はある。18年優勝者の新田祐大(福島)は自転車競技のため参考外だが、13~17年は全日本優勝者の地区が複数(2~3人)グランプリ出場を果たしている。

 

 「平成を振り返る」は平成8年、1996年。3月千葉ダービーは吉岡稔真(福岡=引退)が優勝。95年秋に始まった画期的な「2車単」が本場開催の千葉は間に合わず、記者は現場にいながら電話投票で「2車単」を買い続けた。6月の高松宮杯も吉岡が優勝。

 

 そして8月宇都宮全日本選抜。7月アトランタ五輪の自転車競技「1㌔タイムトライアル」で銅メダルを獲得した十文字貴信(茨城=引退)の帰国初戦とあり、前検日の前日に十文字の記者会見が行われた。競輪以外の報道陣が多数集まった。決勝戦は神山雄一郎(栃木)が地元特別制覇!?とウイニングランを繰り広げたが、優勝したのは海田和裕(三重=引退)だった。

 

 10月岐阜オールスターは児玉広志(香川=故人)が特別初制覇。「競輪博士」と呼ばれた児玉は前年の95年から01年まで7年連続でグランプリ出場を果たした。10月前橋寛仁親王牌は神山が〝アトランタライン〟の十文字目標に優勝。続く11月小倉競輪祭も神山が制覇。96年の特別競輪は吉岡2勝、神山2勝。まさに「東西横綱」時代。ただし12月の立川グランプリは5人が落車する波乱の中、小橋正義(当時岡山=引退)が制した。ちなみに96年のMVPは吉岡が2年ぶり3度目の受賞だった。

 

 ♤中林 陵治(なかばやし・りょうじ)1962年(昭37)7月13日生まれ、熊本県出身の56歳。慶大卒。87年4月入社、翌5月に小橋正義(引退)ら59期生のデビュー戦(花月園新人リーグ)で記者デビュー。以来、競輪の現場取材一筋31年。平成8年一番の思い出レースは宇都宮全日本選抜。