これがS級勝負駆けの執念だ。弥彦準決勝8Rで尾形鉄馬が意表を突くイン粘り。菅谷の番手に飛び付き、S級でも活躍したファイターの宗景と競り合った。「イン粘りは作戦の一つ。関東4車を出させるよりは面白いなと。イチかバチかやってみた」。激しい競りは踏み出し勝負で尾形に軍配。結果的に菅谷後位は鈴木慎が追走する流れになったが、尾形は3角から立て直して2着で決勝へ駒を進めた。
今期優勝した3場所(広島、静岡、四日市)はいずれも3連勝。一気に平均競走得点を上げ、S級昇級が見える位置までランクを上げてきた。決勝は3着以上でS級点に手が届く計算。勝ち上がった北日本4人で話し込むと「木村君の番手を回りたい」と尾形はきっぱり言い切った。番手から抜け出して今年4回目のVと共にS級の座もつかみ取る。