まずは準決を振り返ろう。10Ｒは一戸の動きが良かった。すんなり中団を回れたのも大きい。スプリンターの柿沢なら差せると思ったけど、一戸が押し切った。外を迫る根田を寄せ付けなかったわけだから、一戸の状態はかなり上向いてると感じた。

　11Ｒは山根が長い距離をもがき切る〝らしさ〟を見せた。予選でタテに踏むなど気配上々だった戸田が山根を差し切りアピール。山根は確かに力を付けているけど、まだまだの印象はある。でも、伸びしろはタップリ。この先、楽しみだ。

　12Ｒは九州ラインが完勝。番手の健一郎（大塚）は林を残さないといけないし、３番手を固めた塚本が２着条件ということで、心理状態は複雑だったと思う。

　私の冠レースは３年前の英明（山田）から上田尭弥、嘉永泰斗と九州勢が手にしている。健一郎と林にはもちろん期待しているけど、何よりも共に持ち味を出し切ってもらいたい。林がペースに持ち込めば❶＝❺だけどライン２車だけに過信は禁物。山根や根田にも出番はあるけど、私は仕上がり順調な一戸を狙う。実際、準決も根田を破った。マーク柿沢への❼❸から❼❶、❼❹を推す。（スポニチ本紙評論家）