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【記者コラム】「小倉の逆転劇」へ鈴木が突っ走る

 6月27日小倉の最終日に落車負傷した鈴木美教(みのり=24)が弥彦で復帰した。ほぼ2カ月ぶりの実戦は最終ホームから果敢に先行。番手に飛び付かれた増茂にかわされ2着。「誰よりも先に仕掛けて先行するつもりだった1着を狙いにいって2着は悔しいが、やるべきことはできた」と手応えを明かしていた。
 
 ケガは肺挫傷。前歯も欠けてしまっていた。なかなか胸の痛みが取れなかったが、リハビリを含めて40日間じっくり調整したことで順調に回復。今はモガいても全く違和感がないくらいまで戻った。
 
 昨年は地元静岡のグランプリ出場(7着)を果たした。「今年も諦めていない。賞金では無理なので小倉のトライアルで勝つ以外に道はない。そのためにも焦って復帰を急がずにしっかり治すことを最優先にしてきた。小倉に向けて何としても上げていきたい」と後半戦での巻き返しを誓う。
 
 2日目の準決は機動力のある野本を出させないようにフタをしてから一気に仕掛けるクレバーな走り。野本を振り切って復帰後、初の1着をマーク。「自分の得意な形に持ち込めた。1着になることでモチベーションも上がる」。決勝でも野本、加瀬の自力型を力で封じ込めて②①❶。思惑通り、復帰初戦から鈴木らしいパフォーマンスを発揮した。
 
 とはいえ、一線級が顔をそろえる11月小倉のトライアルを勝ち抜いてグランプリ切符を手にするには高いハードルがそびえる。「まだまだ」と本人もよく分かっている。落車の不運があった小倉で歓喜の逆転劇はあるか。今後の鈴木の走りを見守りたい。次回出走予定は伊東(9月3~5日)。
 
 ♤狩谷 牧生(かりや・まきお)1964年(昭39)4月11日生まれ、神奈川県出身の55歳。88年4月スポニチ入社。92年1月にレース部へ異動。1年間の競輪取材の後、中央競馬担当に。13年、21年ぶりに競輪の現場に復帰。ミッドナイト競輪では初めて会う西日本の選手を取材して新鮮な刺激を受けている。

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