▲青森記念決勝でワンツーを決めた兄・将史(左)と弟・響平▲
8日決勝の青森記念は新山兄弟(優勝=弟・響平、2着=兄・将史)のワンツーで決着する感動的なフィナーレ。初連係が地元記念決勝という最高の舞台。北日本の仲間たちが重圧をはねのけた2人を胴上げしたシーンが胸を打った。
最強ブラザーズと言えば京都の村上兄弟だ。10年松戸ダービーで76年前橋オールスターの藤巻兄弟(優勝=兄・昇、2着=弟・清志)以来2回目となる特別競輪(75年以降)での兄弟ワンツー(優勝=弟・博幸、2着=兄・義弘)を成し遂げた。記念決勝ワンツーは3度(10年2月向日町、12年1月向日町、14年12月岸和田)も達成している。
近畿が誇る三谷3兄弟(長男=政史、次男=将太、三男=竜生)も太い絆で結ばれる。18年2月奈良記念ワンツー(優勝=竜生、2着=将太)は記憶に新しい。14年7月の弥彦寛仁親王牌ではそろってGⅠ出場。誇らしげに胸を張る3人をカメラに収めた。
珍しい記録では10年7月26日に福岡の坂本兄弟が同日優勝を果たした。弟の亮馬が川崎記念を制すると、その4時間後に兄の健太郎が函館FⅠを優勝した。
現在、兄弟姉妹で活躍するレーサーは126組(そのうち9組が3人)。同じ級の親族関係にある選手は同じ開催に斡旋しないが、記念競輪は4日制になった02年4月から兄弟斡旋が可能になった。しかしながら兄弟同時出走は決勝や自動番組(共同通信社杯の一予など)しか実現せず壁は高い。A級1班の司(95期)を弟に持つ山崎芳仁は「一度でいいから連係したい。でも司は俺に付いたら離れるよ(笑い)。早く上へ上がってもらうしかない」とS級での連係を心待ちにしていた。
競輪で最もワクワクする並びが兄弟連係。今後何組の夢が叶うだろうか。(小野 祐一)
♤小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日、秋田県生まれの35歳。06年スポニチ入社。競輪取材歴は大阪本社で2年、東京本社で11年。飛躍を期待する兄弟レーサーは宮城の三浦3兄弟(雄大、翔大、大輝)。