高知競輪の第34回山崎勲杯、第43回スポーツニッポン杯争奪戦(FⅠ)は20日の11RでS級決勝戦が行われ鈴木裕(34=千葉・92期)が直線鋭く伸びてV。前回の伊東FⅠに続く連続Vを飾った。2着はまくり上げた真船圭一郎で3着は朝倉佳弘だった。
レースは前から真船、工藤文彦―戸田洋平、吉本卓仁―佐々木則幸、藤木裕、鈴木―朝倉―稲村好将の並び。最終ホームで吉本が先行態勢に入る。8番手から工藤が強烈に巻き返して、最終バック過ぎにまくり切る。中団からまくり上げた真船に続く形になった鈴木が直線外を鋭く伸びた。
「前の真船君の仕掛けを差しただけなので…。ただレースは見えていました」。慌てることなく最後は余裕の追い込み。最近の好調ぶりを証明する走りだった。一時は競走得点を100点近くまで落としていたが、5月豊橋FⅠ決勝3着から急激に成績は上昇。「今までの自分を捨ててセッティングを含めて全部を変えました。だから特に何が良かったかは分からないんです」
ゼロからのチャレンジが成功。レース運びがうまくて強いニュースタイルを確立させた。「1着を獲る強い気持ちを持ち続けて一戦、一戦を頑張っていきたい」。次はビッグレースでの活躍に期待が懸かる。(緒方 泰士)
♤鈴木 裕(すずき・ひろし)1984年(昭59)12月9日生まれの34歳。競輪選手養成所92期50位で2007年小田原でデビュー(1、3、8着)。キックボクシング出身の異色の経歴で注目される。レース運びは確かでパンチ力の効いた自力が持ち味。1㍍78、88㌔。