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【記者コラム】清水ー松浦は第二の平原ー武田か

 第61回競輪祭は松浦悠士のGⅠ初優勝で幕を閉じた。獲得賞金9位で最後のGⅠを迎え前検日から注目度はナンバーワンだった。4日目ダイヤモンドレースまで自力で勝ち上がり。5日目の準決勝。前を任せるのはもっとも信頼する清水裕友。ここを突破すればグランプリ出場が確定する。さすがに「緊張して脚が回らなかった」と振り返るが、最大の難関を突破した後の決勝戦は、車間を空けて後ろの諸橋愛をけん制する、いつもの冷静な走りに戻っていた。
 
 今年1年、松浦の走りを見てきて、強さの秘訣(ひけつ)は脚力がアップしたのはもちろん、レースの読みの確かさがズバ抜けていたことがあげられる。FⅠ戦で前を任せた若手選手が不発になりレース後にアドバイスするのをそばで聞いたことがある。対戦相手の脚力、走法に基づくレース展開、仕掛けるタイミングをわかりやすく説明していた。それは走ったことのないこちらでも理解できるものだった。決勝戦で平原康多に競り勝った清水の気迫と脚力。そして松浦の確かなレースの読み。両者でグランプリのワンツーを決めれば、一世を風靡(ふうび)した平原-武田豊樹の最強タッグに並ぶ活躍を見せそうな予感がする。
 
 20代のワンツーで新時代の到来を感じさせた競輪祭だが、残念なのは今年飛躍した太田竜馬、宮本隼輔、松井宏佑、松本貴浩の若手選手が準決勝にも進めなかったことだ。とくに松井は〝負け戦〟を3連勝。1走目に単調なペースでまくられたのが悔やまれる。彼らの走りに共通するのがレースが淡泊なこと。くわえてビッグレースの経験で勝る自力型の選手に気迫で負けた走りもあった。FⅠ、記念までなら持ち味のスピードを存分に発揮できるが、GⅠになれば一瞬の判断が大敗につながる。来年のGⅠ戦線ではこの悔しさをバネに気持ちでも負けないレースを見せてほしい。(緒方 泰士)