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【記者コラム】メダルが有力の今年は最大のチャンス

 30日に行われたKEIRINグランプリは佐藤慎太郎が、メンバー中最年長の43歳で初の覇者となった。サービス心旺盛で、誰からも愛されるキャラクターのままに、最後までスタンドから「シンタロー」の声が飛んでいた。

 

 最後は大盛り上がりで終わった競輪界の1年だが、GⅢ以上のグレードレースの売り上げの減少が止まらない。各競輪場で行われるGⅢ(周年記念)は、今年になって4日間で50億を切ることが普通になった。

 

 5年ほど前は60億を割れば悪いイメージだったのに、最近では初日に10億以下で合計40億台前半の開催も増えている。GⅠでは4日間で70億に達しないことも。11月の競輪祭は6日間で88億と、前年が初のナイターGⅠで106億から大きく下がり、関係者のショックは大きかった。他の公営競技が売り上げを伸ばしている中で競輪は〝1人負け〟の状況だ。

 

 売り上げ減少の最大の理由は、かつて競輪場に足を運んでいたファンが高齢化し、楽しむ機会が減った分の新規のファンを獲得できていないことにある。

 

 新規ファンが増えない理由として、すぐにはわかりにくい競輪特有のライン戦がある。くわえて、本命選手が展開の不利を受けて着外になるレースも多く、一日を通じてまったく当たらないことも珍しくない。これではファンも定着しない。7車立てのミッドナイトの売り上げが安定しているのは、堅いレースが多いことが大きい。

 

 今年5月からは3月卒業の新人だけによるルーキーシリーズが行われるなど、新しいチャレンジは始まっている。そして何よりも優先されるのは、新しいファンにもわかりやすい競輪だろう。知らない人が選手の脚力を知るのに現在の競走得点制度でいいのか。改善すべき点はある。

 

 東京五輪のケイリンでメダル獲得が有力視される今年は、〝復活〟へ最大のチャンスだ。(緒方 泰士)