無観客でのレースが長く続き、全国各地で開催が中止に追い込まれている。暗い話題ばかりで気が滅入りそうになるが、将来に希望を感じさせる明るい話題を届けたい。
小田原(1~3日)では117期の早期卒業生、寺崎浩平(26=福井)がデビュー最速S級Vを決めた。09年に深谷知広がマークしたデビュー20連勝の記録に挑んだ2日の準決勝戦が3着に終わり、残念ながら連勝は「19」でストップした。しかし、決勝では見事に1着。ちなみに、21連勝を狙った深谷は大垣のS級決勝で2着に敗れていた。
デビューから79日でのS級優勝は昨年、坂井洋(25=栃木・115期)がマークした144日を大幅に更新するもの。「連勝は止まったけど、決勝では絶対に優勝しようと切り替えていけた。その思いが前々に攻める気持ちにつながった。自分の持ち味であるスピードはS級でも通用する手応えをつかんだ。今後は近畿を代表する先行選手として頑張っていきたい」と初々しく語っていた。開催中止の続出で次走は佐世保(28~30日)までほぼ1カ月近く空くことになるが、連続Vを目指して日々、猛練習に励んでいるはずだ。
一方、2月24日に日本競輪選手養成所を卒業したばかりの117期生たちは今年から新たな試みとして行われる「ルーキーシリーズ」の広島(5月15~17日)、小倉(29~31日)、伊東(6月12~14日)に挑む。「早期卒業の2人には負けたくない」と話す同期たちの熱い戦いが今から楽しみだ。
♤狩谷 牧生(かりや・まきお)1964年(昭39)4月11日生まれ、神奈川県出身の56歳。88年4月スポニチ入社。92年1月にレース部へ異動。1年間の競輪取材の後、中央競馬担当に。2013年、21年ぶりに競輪の現場に復帰。ミッドナイト競輪では初めて会う西日本の選手を取材して新鮮な刺激を受けている。
【記者コラム】S級最速Vの寺崎に負けじ!!同期が来月デビュー
2020/4/16