関東から唯一、グランプリ出場を決めた平原。北日本、南関東、中国勢はしっかりラインがあり、ほかには近畿の脇本がいるメンバー構成。平原は「脇本君が空いているからといって簡単に番手を回っていいということではない。単騎で戦うか、ぎりぎりまで悩んだ」。今でこそ若手の自力選手の番手を回る機会が増えているが「まだ自力を捨てたわけじゃない」。自力選手としての自負もある。全くの他地区の選手に前を任せていいものか。
それでも、最終的に平原は脇本の番手を回ることを決めた。いろいろ理由があったが、一番の決め手になったのは「世界でも1、2位を争う脚力を持つ存在に純粋に付いてみたいという気持ちを抑えられなかった」ことだ。「脇本に付けばいい」というファンの声が思っていた以上に多かったことも、決断を後押しした。「脇本君に付くと決めた以上、どんな結果になっても後悔はない」と平原はすっきりした表情で話した。
メンバー中最多となる11回目の出場。グランプリ舞台での経験値は誰よりも多く、勝つことの難しさを痛感している。前を任された脇本は「平原さんに付いてもらえることを光栄に思う。初めての連係になるが、ワンツーを決められるように頑張りたい」とラインのできるありがたさを強調する。先行日本一のプライドにかけても脇本がバックを先頭で通過する可能性は大きい。平原が別線の巻き返しを止め、グランプリゴールへと突き進む。
【平塚GP最終日】平原 脇本と夢ライン
2020/12/29