今年初のGⅠ全日本選抜競輪(川崎20~23日)が迫ってきた。新型コロナ感染拡大防止のために無観客開催となるのは残念だが、GⅠは55年ぶりの開催となる川崎。勝者は誰になるのか興味はつきない。
シリーズを引っ張っていく特選3個レースのメンバーが発表された。脇本雄太、新田祐大の五輪代表選手が欠場のため、どのレースも激戦は必至だ。それでも各レースをみれば、南関東ラインが強固なのが目につく。グランプリ覇者の和田健太郎はもちろん、エースの郡司浩平。ヤンググランプリVの松井宏佑。そして何より今年から静岡に移籍した深谷知広の存在が大きい。地元地区のアドバンテージもあり、初日で勢いに乗れば他地区を圧倒するシーンが見られるか。
対して関東地区は平原康多が孤軍奮闘の印象だ。昨年のグランプリでは関東1人になり、同じく単騎の脇本の後位を選択した。これには関東の自力選手がやや伸び悩んでいることがある。ただ平原に明かりが差したのは2月高松記念だった。準決勝で昨年末にS級に上がった佐々木悠葵(25・群馬=115期)と連係。ワンツーこそならなかったが、レース後は佐々木の強さを手放しで称えた。「間違いなく関東を引っ張っていく選手。しっかりサポートしていきたい」と、関東から出現した大型自力選手に満足の表情だった。その佐々木は「平原さんからすべての話を聞いて、緊張することなく走れました」と全幅の信頼を置く。バスケットボールで鍛えた1㍍80、90㌔の恵まれた体格から繰り出されるパワーが最大の武器。今後、何度も続く平原との超大型タッグが競輪界を席巻する日が来るか。(緒方 泰士)
【記者コラム】平原もゾッコン!!佐々木悠葵のパワー
2021/2/17