四日市競輪の「天然温泉ゆうゆう会館協賛創刊75周年記念スポーツニッポン杯」のS級決勝が5月17日、12Rで行われた。最終ホームで主導権を握った町田太我(22=広島)が、末良く押し切って今年初Vを決めた。町田マークの柏野智典が2着に、機敏に切り替えた中村圭志が3着に入線した。
最後も町田が力強い走りでシリーズを締めた。前受けから攻めた岩谷拓磨に突っ張られたが、力ずくでねじ伏せて主導権を握った。ハナを切るとグングン加速してVゴールを駆け抜けた。
「岩谷さんが強かったし相当脚を使わされた。出切ってから踏みっぱなしで、(最終)バックでは優勝できなかったと思った」と別線の抵抗もあって余力はなかったが、全てを出し切ったことで最高の結果につながった。
近年は成績も安定してきて大敗は少なくなってきた。記念戦線やGⅠでの活躍も光っていて、着実に力を付けている。徹底先行だけに、ゴール前で末脚が甘くなることもあり優勝から遠ざかっていたが、昨年9月広島以来のVで結果も付いてきた。「素直にうれしいですね。今年は優勝してなかったので、獲りたいと思ったので良かった」と頬を緩めた。輪界トップクラスの先行選手に成長して勢いに乗る若獅子が、次走は「全プロ記念(富山・27~28日)」でGⅠ級の相手に自慢の剛脚を発揮する。(栗林 幸太郎)
◇町田 太我(まちだ・たいが)2000年(平12)7月8日生まれ。広島県出身の22歳。117期。在所時にはゴールデンキャップを獲得した逸材。20年5月広島でデビュー(11❶)。同年11月S級に特別昇級。21年1月小倉でS級初優勝。同期には山口拳矢、寺崎浩平がいる。1㍍81、79㌔。血液型O。